病院の食事は、患者さんの治療の一環としてとても大切な役割を果たしています。
そのため、医師の適切な指導のもと、患者さんがおいしく食事をしていただけるよう、管理栄養士・調理師等スタッフが日々努力を重ねています。
また、退院後の食生活が適切に続けられるよう、個人の生活スタイルに沿った具体的な栄養食事相談などを実施しています。
基本方針
- 安全な食事
衛生的で安全な食事を提供します。 - おいしい食事
患者さんひとりひとりの栄養状態や身体状況、嗜好に配慮したおいしい食事の提供に努めます。 - 栄養管理は治療の基本
治療効果を高める食事を提供するために、私達は自己の資質の向上に努めます。
食事について
大量調理施設マニュアルに沿って、万全な衛生管理体制を目指しています。
特別食の方、食物アレルギーのある方、食欲のない方、噛めない・飲み込めない方などに、管理栄養士がベッドサイドで直接患者さんとお話しし、食事の工夫を図っています。
食事摂取が困難な患者さんには、栄養アセスメントをおこない、食事内容の変更や経腸栄養剤の併用などで栄養状態の改善を図り、治療効果を高める栄養管理に努めています。
また、調理師も一緒に定期的に病棟を訪問し、患者さんのご意見を伺いながらおいしく喜んで食べていただける食事づくりに努めています。
- 一日の食事数 :約600食
- 食事の種類 :約200食+個別対応食
- 食事時間 :朝食8時・昼食12時30分・夕食18時
一般食 | 基本食 軟食1 流動食 ミキサー食 嚥下食 高蛋白食 小児基本食 幼児食 離乳食(前・中・後期) ミルク 食欲不振食 検査食等 |
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特別食 | 軟食2 五分食 三分食 分食(術後) 低残渣食 嚥下4塩分調整食 エネルギーコントロール食 低蛋白食 蛋白調整食 カリウム蛋白調整食 小児蛋白調整食 脂肪調整食等 |
基本食
特別な食事療法が必要でない食事です。
心臓病や高血圧などの生活習慣病の予防のため、食塩相当量を7.5gにしております。
毎週水~金曜(月曜祝日の場合は木~金)に、朝食・昼食で特別メニューを選択できます※。
(エネルギー量:1800kcal、蛋白質65g、食塩相当量:7.5g未満)
※アレルギーや禁止食品がない方に限ります。特別メニューを選択された場合、26円/食(分娩等の場合24円/食)が加算されます。
朝食
昼食
ご飯 みそ汁 サラダ ししゃも 牛乳
牛丼 生姜香る大根の酢の物 香の物 季節のフルーツ
夕食
ご飯 魚の揚げ浸し 付け合わせ 夏野菜と大豆のミートソース煮 黒ごま香る大学芋
特別メニュー
朝食
黒糖パン 野菜スープ ソテー 果物 牛乳
昼食
ご飯 手作り牛肉コロッケ ピーナツ和え 青しそ香るところてん 果物
特別メニューでは、朝は洋食になります。
昼食は、オムライスや天丼、パスタなど様々なメニューを提供しております。
嚥下食4
嚥下機能(噛む力や飲み込む力)が低下した方向けの食事です。
かたさ、ばらけやすさ、貼りつきやすさがなく、箸やスプーンで切れるやわらかさになるよう配慮しています。
(エネルギー量:1400kcal、蛋白質:60g、食塩相当量:7.5g未満)
昼食
粥 柳川煮風 卸し和え ポテトスープ 豆乳プリン
夕食
粥 蒸し魚の味噌マヨ 炒り豆腐 フルーツヨーグルト
エネルギーコントロール食3
エネルギー、食塩相当量、脂質の量を調整した食事です。
心臓病、糖尿病、脂質異常症、高血圧等がある方向けの治療食です。
(エネルギー量:1600kcal、蛋白質:65g、食塩相当量:6g未満)
昼食
ご飯 塩焼 大根卸し なすのソテー 果物 低糖ヨーグルト
夕食
ご飯 蒸鶏香味酢かけ 和え物 清まし汁(1/2量) 果物(1/2量)
カリウム蛋白調整食2
エネルギー、タンパク質、食塩相当量、カリウムの量を調整した食事です。
主に腎臓病がある方向けの特別な治療食です。
(エネルギー量:1600kcal、蛋白質:55g、食塩相当量:6g未満、カリウム:2000㎎以下)
昼食
ご飯 塩焼 大根卸し
なすのソテー ポテトサラダ
夕食
ご飯 蒸鶏香味酢かけ
揚げ南瓜の含め煮 清まし汁(1/2量) ワインゼリー
行事食(大晦日・元旦)
夕食(大晦日)
ご飯 かにグラタン 八幡巻き 煮しめ
菊花かぶ
朝食(元旦)
ご飯 雑煮風 昆布巻き・羽子板蒲鉾 田作り 数の子 紅白なます
昼食(元旦)
ご飯 エビ・松風焼・金平 花れんこん 果物 芋きんとん(黒豆)
夕食(元旦)
赤飯 ブリの塩麹焼き 筑前煮 伊達巻き 日向夏ゼリー 清汁
行事(土用丑の日)
土用丑の日にうな丼を提供しました!
行事食(昭和の日)
昭和の日デザートでケーキを提供しました!
地産地消(鮎)
積極的に地産地消に取り組んでいます!(例)県産肉、めひかり、ずいき、日向夏、北方の次郎柿
行事(ハロウィン)
ハロウィンデザートとメッセージカード付き
行事食(敬老の日)
紅白上用まんじゅうとメッセージカード付き
食欲不振の方向けの食事をご用意しています。
化学療法等で食欲不振時に対応した食事です。昼食は麺類やパンが多く、吐き気対策として、冷たくて口当たりの良いゼリーや果物を提供しております。味覚障害を考慮して、味付けは濃いめ(寿司等の味付きご飯や漬物等)、酢の物等の酸味を多く取り入れています。
お祝い膳を始めました!
令和6年6月から、当院でご出産された患者様向けのお食事を開始しました。
経膣分娩の場合は出産1日目、帝王切開の場合は出産5日目の夕食に産後の身体の回復と心身のリフレッシュができるようお祝いの気持ちを込めて心ばかりの”お祝い膳”をご用意しています。
通常メニューに「ステーキ(ソース別添え)」「季節のフルーツ盛り合わせ」「ケーキ」「紅白祝箸」がつきます。
頑張ったお母さん達の産後の楽しみの一つになれば幸いです。
栄養食事指導
食事療法が必要な外来または入院患者さんとその家族の方に、医師の指示に基づき栄養食事指導を実施しています。糖尿病、腎臓病、心疾患消化器術後など個々の病状や患者さんのライフスタイル、食習慣に合わせた内容でわかりやすくお話しします。
予約制ですので、希望される方は主治医にお尋ねください。
個別指導 |
各疾病別 月~金:9時~16時30分、随時(要予約) |
心臓カテーテル検査時 月~木(要予約) |
院内自主活動
入院・外来の患者さんと職員の健康を後押しできるように、院内の食環境の整備を行っています。
- 栄養サポートコーナー(1階コンビニエンスストア)
食欲不振のある患者さんなどに気軽に試していただけるよう、栄養補助食品コーナーをつくっています。
- POPの掲示
バランスの良い食事をとる後押しとなるように、様々なPOPを掲示しています。
1階コンビニエンスストアでは主食主菜副菜のコーナーをわかりやすくしているので、見つけてみてください。
プライスバーにもご注目ください。
1階イートインコーナー、各病棟の食堂に卓上POPを置いています。
- かわら版の配布
間食の内容やコンビニでの食事の選び方など、日々の食事のポイントを紹介しています。
かわら版は各部署や、コンビニで買い物された方に配布しています。
その他
栄養パンフレットを作成しました。当院で提供している食事についてご紹介しております。
栄養パンフレットはこちら
外来診療は月・火・水・金、手術日は木曜日となっておりますので、木曜日の外来診療は、休診日です。
診療内容
担当医師
後田、下西
主な検査治療
検査:皮膚生検など
治療:乾癖
アトピー性皮膚炎の生物学的製剤や分子標的薬の治療
自己免疫性水疱症
薬疹などの治療
局所麻酔下での皮膚腫瘍切除術や皮膚悪性腫瘍切除術
前立腺肥大症をはじめとして泌尿器科疾患は比較的高齢者に多く、QOL(日常生活の質)を考慮した低侵襲性治療が要求されます。当科では総合的な判断のもとに、患者さん一人一人の事情に沿って治療方針を決定しています。
診療内容
担当医師
山下、大塚、小迫
主な検査治療
腎腫瘍
腎臓の摘出が必要な場合は、体腔鏡下手術を第一選択としています。
膀胱腫瘍
経尿道的内視鏡手術が中心ですが、進行した腫瘍に対しては化学療法や膀胱全摘除術を施行する場合があります。
前立腺がん
年齢や病気の進行具合など総合的判断により治療方針を決定します。ホルモン治療を中心に、手術治療、放射線治療を組み合わせて治療します。診断のための検査(針生検)は一泊または二泊入院でおこなっています。
前立腺肥大症
薬物療法および経尿道的内視鏡手術が中心ですが、患者さんの希望をできるだけ尊重して治療を決定します。レーザーを使用した経尿道的前立腺レーザー核出術をおこなっています。
尿路結石
令和5年に新しいホルミウムレーザー(120W)が導入され、経尿道的尿路結石砕石術を年間約100例おこなっています。
体腔鏡下手術
低侵襲手術の代表である体腔鏡下手術は、副腎疾患や腎疾患を中心に積極的におこなっています。
専門分野・特色
当院は、日本泌尿器科学会認定教育施設となっています。
診療内容
担当医師
猿渡 英美
主な検査治療
耳)聴力検査、鼓室形成術
鼻)内視鏡下鼻内手術
咽喉頭)口蓋扁桃手術、喉頭微細手術
専門分野・特色
現在、宮崎県北地域で唯一耳鼻咽喉科の入院・手術がおこなえる施設であり、常勤医1名体制で診療をおこなっています。
月・火・木・金曜日が外来診療日で、水曜日が手術日です。また、月曜日の午後は補聴器・難聴外来、火・金曜日の午後は嚥下機能評価外来(院内コンサルタントのみ)もおこなっています。宮崎大学病院難聴支援センターから言語聴覚士の先生を派遣していただき、小児の聴力評価や補聴器フィッティングなどの難聴支援が当院でも可能となっております。手術は、一般的な耳鼻咽喉科の小手術の他に、内視鏡下鼻副鼻腔手術(副鼻腔炎に対する手術)や手術用顕微鏡下におこなう鼓室形成術(中耳炎に対する手術)にも力を入れています。
当院小児科では、感染症などの急性疾患以外に低身長やてんかんなど、子どもの病気全般を幅広く診療しています。
診療内容
分野別担当医師
一般小児科・乳幼児発達外来:中村、佛淵、久保田、二見
小児循環器外来(月1回):宮崎大学医学部附属病院医師
小児外科外来(月1回):宮崎大学医学部附属病院医師
※専門外来の直接予約はできません
主な検査治療
脳波検査、核医学検査、内分泌(負荷試験)、遺伝子検査、生理学検査(心電図・呼吸機能検査・簡易ポリソムノグラフィーなど)、エコー検査、CT、MRIなどの検査をおこなっております。
専門分野・特色
熊本大学小児科専門研修プログラム関連施設となっています。
心臓血管外科は、1998年(平成10年)の本院新築に合わせて新設された診療科です。今年で(2024年)26年目に入り、総手術症例数は5,000例を超え、開心術1,800例以上行ってきました。
県北で唯一の心臓血管外科手術を行える診療科であり、手術の必要な患者さんの最後の砦を担える様、知識の収集と技術の研鑽に努め、24時間365日体制で頑張っていきます。
診療内容
担当医師
松山、谷口
外来診療・手術日等
外来日:月曜、水曜、金曜日です。
初診は、【心臓、大血管、末梢血管:松山】が対応します。
急患につきましてはいつでもご連絡ください。
手術日:原則 火曜、木曜の週2日
主な検査と治療
虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞、心室中隔穿孔、左室破裂、乳頭筋断裂など):冠動脈バイパス、左室自由壁破裂修復術、心臓腫瘍切除術、心房中隔欠損閉鎖術
弁膜症(大動脈弁狭窄症および閉鎖不全、僧帽弁狭窄症および閉鎖不全、三尖弁疾患):弁置換術、弁形成術
不整脈:メイズ手術、左心耳閉鎖術、肺静脈隔離術など
そのほか(心外傷、心臓腫瘍、心タンポナーデ、肺梗塞など)
大動脈瘤(胸部、腹部、末梢動脈)、大動脈解離、外傷性大動脈損傷:ステントグラフト内挿術、人工血管置換術
末梢動脈疾患(急性動脈閉塞、閉鎖性動脈硬化症、仮性動脈瘤):血栓除去術、末梢動脈バイパス術、動脈形成術、仮性動脈瘤切除・修復術
データベース事業について
医療レベルの向上のためには「治療経験」の蓄積が必要ですが、一人の医師の経験では、疾病の経過予測や治療方法を選択するための情報は不足しております。
より多くの患者様の治療情報を全国もしくは世界規模で集積し、統計学的に評価分析することで、多くの医師が参照しうる一定の指針を示し、全体のレベル向上を目指すことになります。適正な分析により正しい結論を導くためには多種にわたる治療情報の蓄積が要求されます。
データベースとは、こうした情報をあらかじめ登録しておくことで後に様々な研究分析を可能にするものであります。
当科では下に示す各データベース事業に参加しております。また将来的に全国規模のデータベース作成の協力や参加が予測されます。治療情報の登録に際して事前に承諾はいただいておりませんが、これらは患者さんの自由な意思に基づいて行われることを前提にしておりますので、参加されたくない場合にはデータ登録を拒否していただくことが可能です。また登録を拒否されたことで、日常の診療等において患者さんが不利益を被ることは一切ありませんのでご安心下さい。
プライバシーへの配慮
データの取り扱いに際しては秘密保守に厳重な注意を払っております。個人を特定できる形での情報公開、データの持ち運びは一切行いません。
現在参加中および参加予定のデータベース
1)JCVSD(心臓血管外科手術に関する全国データベース)
2)NCD(日本外科学会主催の外科症例データベース)
3)JRAD(急性大動脈解離に関する全国データベース)
令和元年6月
文責:心臓血管外科 医長 松山正和
問い合わせ
宮崎県立延岡病院 心臓血管外科 松山正和
住所:宮崎県延岡市新小路2-1-1 電話:0982-32-6181(代表)
放射線科は各診療科から依頼のあった患者さんの診断用画像(一般撮影・CT・MRI・RI等)の提供と、低侵襲で患者さんのQOLを重視した放射線治療をおこなっています。
また、心臓・脳・腹部の血管造影検査や動脈瘤等の術中撮影もおこなっています。
診療内容
担当医師
楠原
主な検査治療
1.X線一般撮影検査
X線を使って体内の様子を調べる検査です。X線写真は骨は白く、空気が多い肺などは黒く写ります。胸部・腹部の撮影では肺や心臓、腸などの臓器の状態を、骨の撮影では骨折や関節の状態を画像化し診断します。
2.マンモグラフィ検査
マンモグラフィとは乳房のX線撮影検査のことで、専用の装置を使って撮影をします。乳房を圧迫して撮影します。圧迫する時は多少の痛みを伴いますが薄くすることで乳腺の重なりが少なくなり、病変の状態が良く分かるようになります。
3.骨塩定量
4.ポータブル撮影検査
移動式のX線撮影装置を用いて、重症の救急患者さんや入院中で移動が制限されている患者さんのX線撮影検査を行います。
5.CT検査
CTとは、Computed Tomography(コンピューター断層撮影)の略です。CT検査はエックス線を使って身体の断面を撮影する検査で体内の様々な病巣を発見することができます。特に心臓、大動脈、気管支・肺などの胸部、肝臓、腎臓などの腹部の病変の描出が優れています。
6.MRI検査
MRIはエックス線は使用せず、強い磁石と電磁波を使って体内の状態を断面像として描写する検査です。しかし、ペースメーカーや金属が体内に入っている方や閉所恐怖症の方などは検査ができない場合があります。検査前に確認が必要です。
7.核医学検査
微量な放射線を放出する物質を組み込んだ薬を体内に投与し、カメラを使って身体から出る放射線を画像化する検査です。病気の種類や検査の目的に合わせた薬を投与するため、検査前の制限があったり投薬から検査開始までの時間、検査時間が異なります。
8.放射線治療
放射線治療とは、放射線を使って腫瘍細胞を死滅させたり痛みを和らげる治療です。手術と異なり体を切らないので患者さんへの身体的負担は少なく、機能や形態の温存を可能にする治療法です。治療期間が4~6週間と長期に渡りますが通院でも治療することができます。
肺癌をはじめとする胸部の悪性腫瘍、重症感染症、外傷や気胸など胸部の緊急処置を要する患者さんの診断と治療(検診異常の精密検査、気管支鏡検査、手術、化学療法、緩和ケア)をおこなう診療科です。
宮崎大学呼吸器・乳腺外科との連携を図り、呼吸器疾患全般についての料をおこなっております。
他病院で手術を受けた患者さんの術後フォローや、手術と関係なさそうな呼吸器疾患患者さんの入院治療もおこなっております。お気軽にご相談ください。
担当医師
能勢、濱廣、河野
診療内容
- 肺腫瘍・・・・・・・・原発性肺がん、転移性肺がん、良性肺腫瘍、等
- 縦隔腫瘍・・・・・・・胸腺腫、奇形腫、等
- 気胸・・・・・・・・・自然気胸、続発性気胸
- 胸部外傷・・・・・・・肋骨骨折、外傷性血気胸
- 炎症性疾患・・・・・・重症肺炎、肺化膿症、膿胸
- 各種精査・・・・・・・胸水、頸部~胸部リンパ節腫大、肺異常陰影の精査
- その他・・・・・・・・心膜炎、漏斗胸、胸壁腫瘍 など
1)原発性肺がん
このページに行き着いた方へ
健康診断でレントゲン異常の通知を受け取った方、たまたま撮った胸のレントゲンで異常が見つかった方、あるいはご家族が肺癌と診断された方、なにかしらの症状がある方、大変な不安と心配を抱きながらこのページをご覧になられていると思います。肺がんだったらどうなるのか、この先どうなってしまうのか。さまざまな不安が心をよぎる事でしょう。そのストレスの大きさは当事者でないと分からないものです。不安で精密検査に踏み切れない方もおられるともいますが一日も早く呼吸器専門病院を受診することをお勧めします。
当科の肺癌診療
最新の肺癌診療ガイドラインに沿った最良の検査と治療をおこなうとともに、心のケアを大切にしています。患者さんとご家族が十分理解納得して検査や治療を受けていただけるよう、わかりやすく何度でも説明させていただきます。
検診や健康診断で胸部レントゲン異常を指摘されたら
検診異常を主訴に時間外受診される方もおられる程、レントゲンに異常がみつかった患者さんは大きな不安をいだきます。その不安をすこしでも早く取り除くために、当院では電話で予約していただければ当日~2日以内を原則にCT検査をおこないます。料金は3割負担の方で4000~5000円です。CT検査は2~3分で終わり、痛みは全くありません。結果は原則当日検査終了後に呼吸器外科医師がお伝えします。CT検査で本当に治療を要するような肺がんが見つかる割合は50人に1人くらいです。つまり49人は不要な心配を背負って過ごしていることになります。まずは勇気をもって精密検査をうけましょう。
レントゲンでは見えにくい影もCTでは一目瞭然です。
肺がんが疑われるときの検査
CT検査で本当に肺がんが疑われた場合、気管支鏡と呼ばれる内視鏡で病変の一部を採取することがあります。またがん細胞が生きていくうえで正常細胞よりたくさん栄養を使うことを検出するPET(ペット)検査をすることがあります。これらの検査結果を総合的に判断し、肺がんかどうかとその進行度を診断します。
気管支鏡検査
口から気管支鏡を入れて、肺の病変の一部を採って細胞を調べる検査です。
呼吸器内科の先生を中心に外来(日帰り)でおこないます。
肺がんと診断されたら
肺がんの治療には手術、放射線治療、化学療法(免疫療法含む)などがあります。また症状を和らげるための緩和治療も重要な治療のひとつです。がんの種類や病気の進行具合からどの治療法がよいかを決定し、場合によってはこれらを組み合わせて治療します。当院では診断から治療まで、呼吸器内科専門医、呼吸器外科専門医、放射線治療医、癌治療認定医の資格を持った複数の医師が携わり、患者さん一人ひとりの治療方針を会議で決定します。
カンファレンスの様子
専門医資格を持った呼吸器内科、呼吸器外科の医師の他、薬剤師、病棟看護師、地域連携科等他職種スタッフが意見を出し合います。
複数ある治療方法のうち、個々の患者さんに最適な治療方法を会議で決定します。
肺がんに対する手術治療
どうやって切るのか?
2010年頃までの肺の手術は肋骨を切断して大きな傷をつけて胸を開く開胸手術が基本でした。しかし最近はほとんどの症例で胸腔鏡による内視鏡手術を行っています。内視鏡手術は切除した肺を体外にだすために最小限必要な傷(3~6cm程)だけで行う手術方法で、開胸手術に比べて痛みや体のダメージが少ないメリットがあります。これによって体力が低下した方や高齢の方でも低侵襲に手術ができるようになりました。さらに合併症がある患者さんも安心して手術を受けていただくために、内科、麻酔科、循環器科、心臓外科、リハビリテーション科など、他科との連携の下に手術を行っています。
胸腔鏡手術の様子
テレビモニターで胸の中を見ながら手術します。
肺をどれくらい切るのか?
人間には右に3つ、左に2つの肺があります。それぞれを葉っぱに例えて右上葉、右中葉、右下葉、左上葉、左下葉と呼ばれます。肺癌はこれら肺葉の中の血管やリンパ管を介して全身に転移します。このためがんの部分だけを小さく切り取ると高率に再発します。当院では手術前に専門的な検査を行い、術後どの程度呼吸に影響がでるかを高い精度で計算し、必要十分な肺の切除量を決定します。
腫瘍が大きい場合は転移や再発の可能性を減らすためにがんができた肺葉とリンパ腺を取り除きますが、腫瘍が小さいうちであれば腫瘍がある区域だけをとる手術も可能です。
肺を切るとどうなるのか?
当然ながら切り取った分の肺活量が減ります。しかし肺は5つあります。残りの肺に病気がない方であれば1つくらいとっても日常生活にほとんど影響ありません。残りの4つの肺が膨らみ、失った肺を代償するからです。さらに腫瘍が小さいうちであれば主要部分だけを切除することも可能で、この場合術前後で呼吸機能は殆ど変わりません。 当院の検討では肺葉切除を受けた患者さんでも、そのほとんどは手術前の90%以上の運動能力が退院時保たれていました。肺切除3か月目でハーフマラソンを完走された方もおられます!
手術当日は、ICUまたはHCUに入室し、看護師によりリハビリが行われます。原則術当日から食事を開始し、歩行訓練をします。
ほとんどの患者さんが術後3~6日で退院されます。術後1~2週で仕事復帰可能です。
肺がんに対する化学療法
化学療法、つまり抗癌剤の治療は近年目覚しい進歩を遂げています。一昔前に比べ少ない副作用で大きな効果が期待できる薬剤が多数登場してきました。また遺伝子検査や免疫染色法を駆使して、どの抗癌剤が最も効果を発揮するか事前予測が可能になってきました。当科では効果はもちろん、患者さんの体力や職業、社会背景、経済的問題なども考慮し、スタッフ間で検討したうえで投与薬剤を決定します。
また、地理的要因などで他院での治療が困難になった方の継続治療も受け入れております。
治療が患者さんの生活の負担にならないように外来で化学療法を行うことを基本としています。実際当院で通院治療しながら、治療日以外は普通に仕事をされている患者さんが何人もいらっしゃいます。一方体力的に不安が残る方、希望が強い方に対しては入院による投与をおこなっています。
肺がんに対する当院の放射線治療
症状緩和に対する治療はもちろん、手術できない症例に対する放射線化学療法、術前後の補助療法をおこなっています。治療そのものには痛みはありません。しかし放射線による食道炎や肺臓炎が起こることがあるため、放射線科医と緊密に連絡を取りながらおこないます。
肺がん治療をうける患者さんに対する社会的支援、家族支援
○当科では仕事と治療の両立支援に積極的に取り組んでいます。肺癌と診断されても仕事を辞める必要は全くありません。決して肺癌と診断されても仕事を辞めないでください!!当科では病状が許す限り、患者さんの都合に十分配慮した治療計画を提案させていただきます。特に仕事を続けながら癌治療を受けていただく患者さんを全力で応援、サポートします。手術日程や外来予約等、お仕事への影響が最小限となるように配慮させていただきます。
○経済的な不安を抱えておられる患者さんには治療費負担がなるだけかからないような治療を検討し、傷病手当や障害年金など、利用できる社会保障を提案し、手続きのお手伝いをします。
○必要に応じて来院が困難な遠方のお住まいのご子息やご家族に対しても配慮した説明を行います。ご本人からの同意がいただければ遠方のご家族等のキーパーソンの方に電話で病状を説明させていただきます。
2)縦隔(じゅうかく)腫瘍
左右の肺に挟まれた胸の中央辺付近を縦隔といいます。縦隔にできる腫瘍としては胸腺腫や奇形腫などが多く発生します。小さい腫瘍であれば胸腔鏡(内視鏡)を用いて小さい傷で切除します。悪性度が高いものや大きいものでは胸骨を切開して手術をおこないます。
胸腺腫という縦隔腫瘍のCT写真
3)気胸(ききょう)
何かの拍子に肺が破け、吸った空気が肺の外に漏れる状態(肺のパンク)を気胸といいます。肺が破ける原因は肺表面にブラと呼ばれる薄く弱い部分ができるためです。ブラは若くて背の高い男性の肺上部に多く発生します。パンクの状態が軽度の場合は安静で治療しますが、空気漏れがひどい場合は胸に空気抜きの管を入れて脱気(ドレナージといいます)をします。しかし安静や脱気だけで治療した場合、ブラは残っていますので再発することがあります。再発を繰り返す場合や、明らかに破れそうなブラがある場合は初回でも手術でブラを切除することをお勧めしています。当院では若い人に発生する、いわゆる特発性気胸に対するブラ切除はほぼ全例胸腔鏡下におこなっています。
4)胸部外傷
大部分は打撲による肋骨骨折を伴っています。肋骨骨折自体はほとんどの場合手術等の処置を必要とせず自然治癒します。しかし胸の中に内出血する血胸や肺が破けて胸の中に吸った空気がたまる気胸を伴っている場合、胸の中に管を入れて血抜きや空気抜きをする必要があります。痛みが強かったり、治りが悪い場合手術が必要なことがまれにあります。
5)炎症性疾患
肺炎がこじれると肺と胸の壁の間で菌が繁殖し膿胸という状態になることがあります。体力が弱っていたり、歯が悪い方に発生することが多く、治癒までに何ヶ月もかかったり、後遺症を残すことがある大変厄介な病気です。当科では膿胸の早期から胸腔鏡を用いた治療を行い、治療期間の短縮に勤めています。
6)内科的呼吸器疾患
薬物療法で改善しない慢性閉塞性肺疾患(COPD)に対する容量縮小手術、慢性咳そう(長びく咳)の精査、原因不明の胸水や心嚢水の精査と治療を行っています。これらの病気には肺癌や結核といった、恐ろしい病気が隠れていることがあります。当科ではこれらを見逃さないために、疑いがある患者さんにはCTや喀痰検査などの精密検査を行うことを勧めています。また内科的にはどうしても診断がつかない胸水や肺炎、肺の影に対して胸腔鏡検査を実施しています。
セカンドオピニオン外来
- 主治医の診療内容に関する別の医師の意見をセカンドオピニオンといいます。当センターでは他院における肺癌、縦隔腫瘍の診療に関する相談外来(セカンドオピニオン外来)を保険診療外で行っております。
- 患者さんご本人の来院を原則とします。もしご本人が来院できない場合はご家族だけでも結構ですが、その場合ご本人の相談同意書の持参をお願いします。
- 来院時、主治医から
- 診療情報提供書
- レントゲンフィルム
- CT・MRI検査のフィルムまたはCD-ROM
- 各種検査結果記録(血液検査、病理検査など)
- 相談時間は持参された資料を拝見する時間を含めて基本30分ですが60分まで延期可能です。
- 完全予約制です。当院医療連携科にお問い合わせください。
以下の場合セカンドオピニオンのご依頼をお断りさせていただきます。
- ご本人、ご家族以外からの相談。ご家族でもご本人の相談同意書を持参されていない場合。
- すでに死亡した患者さんに関する相談。
- 主治医に対する不信感や不満に関する相談。医療訴訟に関する相談。
- 行われた検査の資料や診療情報提供症例をお持ちでないとき。主治医がセカンドオピニオンを受けることを承諾していないとき。
常勤医3名、看護師2名、歯科衛生士3名で日々の診療をおこなっております。
担当医師
山本、相川、山下
診療内容
外来診療日は、火〜金曜日(月曜日、および木曜日午後は手術日)です。
当科外来での主な診療内容は、腫瘍、・嚢胞・膿瘍・埋伏歯・顎関節症・顎関節脱臼・外傷(骨折、軟組織損傷、歯牙脱臼)・三叉神経痛・口腔粘膜疾患などで、また当院入院中、あるいは全身疾患のある方の口腔ケアもおこなっております。
入院については、腫瘍・嚢胞・膿瘍・外傷・先天奇形・唾液腺疾患などを中心におこなっております。
専門分野・特色
(公社)日本口腔外科学会関連研修施設
歯科臨床研修医の募集について
県立延岡病院では、研修歯科医を募集しています。
→詳しくはこちらをご覧ください。
循環器内科は2003年に内科から独立し、心臓専門の診療科(内科)として当初2名体制で誕生しました。一時の医師不足による危機的状況も乗り越え、2014年4月より5名体制となり、2019年には心臓脳血管センターも開設され、さらに2名増員となり現在は7名体制となっております。
心臓血管センター(循環器内科)では、心臓血管外科と協働して、24時間体制で急性期患者さんの治療を行っており、年間の入院患者数は、約1100人、平均在院日数約8日、手術ではPCI数は約400例、ペースメーカ植込み約130例で推移しております。
2020年からカテーテルアブレーションを開始し、年間60例施行しています。
当科は県北唯一の循環器内科の基幹施設であることもあり、日本循環器学会、および、日本心血管インターベンション治療学会から研修施設に指定されております。
診療内容
1.外来 | 月、火、水、木、金の午前中 月、水、金の午後(ペースメーカー外来) |
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2.手術日 | ペースメーカ手術:平日(月~金) カテーテル治療:平日(月~金) |
主な治療対象
疾患名 | 関連する疾患 |
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虚血性心疾患 | 急性心筋梗塞、不安定狭心症、陳旧性心筋梗塞、狭心症など |
不整脈 | 心房細動、心房粗動、上室性頻拍、WPW症候群、心室期外収縮、心室頻拍 心室細動(ブルガダ症候群)、房室ブロック、洞不全症候群など |
血管疾患 | 深部静脈血栓症など |
弁膜症 | 大動脈弁膜症、僧帽弁膜症、三尖弁膜症など |
心筋疾患 | 特発性心筋症、肥大型心筋症、拡張型心筋症、急性心筋炎など |
その他 | 急性心不全、慢性心不全、先天性心疾患、心臓腫瘍、心膜疾患など |
本院は日本内科学会認定教育施設(県内3施設)に指定されています。
また、当科は日本循環器学会研修施設(県内7施設)、日本心血管インターベンション治療学会研修施設(県内3施設)に指定されています。心不全・急性冠症候群の記述統計算出研究の実施について本院は日本内科学会認定教育施設(県内3施設)に指定されています。
オプトアウトについて
通常、臨床研究を実施する際には、文書もしくは口頭で説明・同意を行い、実施します。
臨床研究のうち、患者への侵襲や介入がなく、診療情報等の情報のみを用いる研究や、余った検体のみを用いる研究は、国が定めた指針(『人を対象とする医学系研究に関する倫理指針』)に基づき、対象となる全員の方から個別に、直接同意を得ることはしておりません。研究に関する情報を公開し、さらに拒否の機会を保障するようにしております。これを「オプトアウト」と言います。
当科でオプトアウトを行っている臨床研究は下記の通りです。研究への協力を希望されない場合はお知らせください。