研修医ブログ (井上研修医編)

 県立延岡病院には上級医の先生方が研修医に役立つ各専門の知識を共有していただける「研修医セミナー」をはじめとして様々な研修行事があり、僕はそのような充実した指導体制を学生時代の実習で実感し、その教育の手厚さに惚れてこの県立延岡病院を研修先として選んだといっても過言ではない。今月は研修医になって初めての縫合コンテストに向けた縫合練習があった。学生時代に先生方から習った知識とは別の知識も盛りだくさんで、実際に縫合をしてみることでその繊細さや難しさにうちひしがれた。しかしその自分の横で、そつなくこなす同期がいた。凄いと思い、その場でコツを聞いたが、改めて振り返ってみると自分のそのときの実力に劣等感を感じる前に普段の会話のように聞ける同期の存在はとても大きい。仲が良くないと、他の研修医がしていて自分がしていないこと、できていないことに嫉妬することもあるだろうし、それもあって当然だと思う。しかし、それ以上にできないことも気軽に聞けたり会話できる関係の存在であることは本当にありがたい。もちろん同期だけでなく、2年目の先輩も先輩でありながらも距離が近く、聞きたいことはいつでも聞けるし、プライベートでのご飯も行ったりする仲で、僕の仲では本当にありがたい存在となっている。今の県立延岡病院の研修医は人数が少ないが、普段から仲良く、知識の共有などもできており有意義な研修期間を過ごせている。これはひとえに今のメンバーだからできることだと思う。延岡を研修先として選ぶ人は仕事に対する姿勢や、人との接し方が良い意味で似ているといわれることがあるが、僕もそう感じていて、本当にみんな優しくてまっすぐだと感じる。人と環境に恵まれていて感謝です。9月末にあるトレーニングセミナーの終了後のフリータイムで研修医の誕生日をサプライズで祝う計画を立てているこの時間も楽しい。メリハリのきいた生活のこの充実度は何にも例えがたい。現在研修している総合診療科はこれまで回ってきた科のなかで一番頭をぐるぐる働かせている科目だと思う。はっきりと診断名がすぐにつけられない病態に対して様々な鑑別を症状や経過から絞っていく、これは現時点でまだまだ知識が薄い自分にとっては、調べて評価して調べて評価して…の繰り返しで果てしない。また、病気だけではなくて栄養状態や水分量など細かなところにまで配慮する姿勢の重要性も痛感する。しかし、上級医の先生方が忙しい中で、僕がそれらを一番効率よくかつ正確に学べるように、僕の意見をまずは聞き、そして先生方が意見をくれる。丁寧に教えてくれ、一緒になって考察してくれる。本当にありがたい。評価して意見の交換を行って…を繰り返していく内に、いつか気づけば自分の血肉になっているように、今はがむしゃらに頑張りたいと思う。この延岡での研修生活全て余すことなく充実させ、少しずつでも成長できるように一歩一歩日々を踏みしめたい。

 

 

縫合トレーニングにて