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呼吸器外科

呼吸器外科の紹介

肺癌をはじめとする胸部の悪性腫瘍、重症感染症、外傷や気胸など胸部の緊急処置を要する患者さんの診断と治療(検診異常の精密検査、気管支鏡検査、手術、化学療法、緩和ケア)を行う診療科です。
他病院で手術を受けたが術後の通院が困難な患者さんや、手術と関係なさそうな呼吸器疾患でも入院が必要そうな患者さんなどの診療もさせていただいております。

診療内容

  • 肺腫瘍・・・・・・・・原発性肺がん、転移性肺がん、良性肺腫瘍
  • 縦隔腫瘍・・・・・・・胸腺腫、奇形腫
  • 気胸・・・・・・・・・自然気胸、続発性気胸
  • 胸部外傷・・・・・・・肋骨骨折、外傷性血気胸
  • 炎症性疾患・・・・・・重症肺炎、肺化膿症、膿胸
  • 各種精査・・・・・・・胸水、頸部~胸部リンパ節腫大、肺異常陰影の精査
  • その他・・・・・・・・心膜炎、漏斗胸、胸壁腫瘍 など

1)原発性肺がん

このページに行き着いた方へ

健康診断でレントゲン異常の通知を受け取った方、たまたま撮った胸のレントゲンで異常が見つかった方、あるいはご家族が肺癌と診断された方、なにかしらの症状がある方、大変な不安と心配を抱きながらこのページをご覧になられていると思います。肺がんだったらどうなるのか、この先どうなってしまうのか。さまざまな不安が心をよぎる事でしょう。そのストレスの大きさは当事者でないと分からないものです。不安で精密検査に踏み切れない方もおられるともいますが一日も早く呼吸器専門病院を受診することをお勧めします。

当科の肺癌診療

最新の肺癌診療ガイドラインに沿った最良の検査と治療を行うとともに、心のケアを大切にしています。患者さんとご家族が十分理解納得して検査や治療を受けていただけるよう、わかりやすく何度でも説明させていただきます。

検診や健康診断で胸部レントゲン異常を指摘されたら

検診異常を主訴に時間外受診される方もおられる程、レントゲンに異常がみつかった患者さんは大きな不安をいだきます。その不安をすこしでも早く取り除くために、当院では電話で予約していただければ当日~2日以内を原則にCT検査を行います。料金は3割負担の方で4000~5000円です。CT検査は2~3分で終わり、痛みは全くありません。結果は原則当日検査終了後に呼吸器外科医師がお伝えします。CT検査で本当に治療を要するような肺がんが見つかる割合は50人に1人くらいです。つまり49人は不要な心配を背負って過ごしていることになります。まずは勇気をもって精密検査をうけましょう。

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普通のレントゲン   CT

レントゲンでは見えにくい影もCTでは一目瞭然です。

肺がんが疑われるときの検査

CT検査で本当に肺がんが疑われた場合、気管支鏡と呼ばれる内視鏡で病変の一部を採取することがあります。またがん細胞が生きていくうえで正常細胞よりたくさん栄養を使うことを検出するPET(ペット)検査をすることがあります。これらの検査結果を総合的に判断し、肺がんかどうかとその進行度を診断します。

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PET検査で描出される肺がん

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気管支鏡検査
口から気管支鏡を入れて、肺の病変の一部を採って細胞を調べる検査です。
外来でも可能ですが、呼吸苦や咳を伴うことがありますので、十分な麻酔で眠っている間に検査を終わらせることができる1泊入院をお勧めしています。

肺がんと診断されたら

肺がんの治療には手術、放射線治療、化学療法(免疫療法含む)などがあります。また症状を和らげるための緩和治療も重要な治療のひとつです。がんの種類や病気の進行具合からどの治療法がよいかを決定し、場合によってはこれらを組み合わせて治療します。当院では診断から治療まで、呼吸器内科専門医、呼吸器外科専門医、放射線治療医、癌治療認定医の資格を持った複数の医師が携わり、患者さん一人ひとりの治療方針を会議で決定します。

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カンファレンスの様子
専門医資格を持った呼吸器内科、呼吸器外科の医師の他、薬剤師、病棟看護師、地域連携科等他職種スタッフが意見を出し合います。
複数ある治療方法のうち、個々の患者さんに最適な治療方法を会議で決定します。

肺がんに対する手術治療

どうやって切るのか?

数年前まで肺の手術は肋骨を切断して大きな傷をつけて胸を開く開胸手術が基本でした。しかし最近はほとんどの症例で胸腔鏡による内視鏡手術を行っています。内視鏡手術は切除した肺を体外にだすために最小限必要な傷(3~6cm程)だけで行う手術方法で、開胸手術に比べて痛みや体のダメージが少ないメリットがあります。これによって体力が低下した方や高齢の方でも低侵襲に手術ができるようになりました。さらに合併症がある患者さんも安心して手術を受けていただくために、内科、麻酔科、循環器科、心臓外科、リハビリテーション科など、他科との連携の下に手術を行っています。

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開胸手術の傷 胸腔鏡手術の傷
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胸腔鏡手術の様子
テレビモニターで胸の中を見ながら手術します。

肺をどれくらい切るのか?

人間には右に3つ、左に2つの肺があります。それぞれを葉っぱに例えて右上葉、右中葉、右下葉、左上葉、左下葉と呼ばれます。肺癌はこれら肺葉の中の血管やリンパ管を介して全身に転移します。このためがんの部分だけを小さく切り取ると高率に再発します。当院では手術前に専門的な検査を行い、術後どの程度呼吸に影響がでるかを高い精度で計算し、必要十分な肺の切除量を決定します。

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一般的には転移や再発の可能性を減らすためにがんができた肺葉とその周りのリンパ腺を切除することが基本になります。

肺を切るとどうなるのか?

当然ながら切り取った分の肺活量が減ります。しかし肺は5つあります。残りの肺に病気がない方であれば1つくらいとっても日常生活にほとんど影響ありません。残りの4つの肺が膨らみ、失った肺を代償するからです。当院の検討では肺葉切除を受けた患者さんのほとんどは手術前の90%以上の運動能力が退院時保たれていました。肺切除3か月目でハーフマラソンを完走された方もおられます!

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術翌日ICUでのリハビリの様子   術後2日目HCUでのリハビリの様子

術後1~2日、ICUまたはHCUに入室します。理学療法士、看護師によりリハビリが行われます。術翌日から食事を開始し、歩行訓練をします。
ほとんどの患者さんが術後7~14日で退院されます。術後2~3週で仕事復帰可能です。

肺がんに対する化学療法

化学療法、つまり抗癌剤の治療は近年目覚しい進歩を遂げています。一昔前に比べ少ない副作用で大きな効果が期待できる薬剤が多数登場してきました。また遺伝子検査や免疫染色法を駆使して、どの抗癌剤が最も効果を発揮するか事前予測が可能になってきました。当科では効果はもちろん、患者さんの体力や職業、社会背景、経済的問題なども考慮し、スタッフ間で検討したうえで投与薬剤を決定します。
また、地理的要因などで他院での治療が困難になった方の継続治療も受け入れております。 
治療が患者さんの生活の負担にならないように外来で化学療法を行うことを基本としています。実際当院で通院治療しながら、治療日以外は普通に仕事をされている患者さんが何人もいらっしゃいます。一方体力的に不安が残る方、希望が強い方に対しては入院による投与を行っています。

肺がんに対する当院の放射線治療

症状緩和に対する治療はもちろん、手術できない症例に対する放射線化学療法、術前後の補助療法を行っています。治療そのものには痛みはありません。しかし放射線による食道炎や肺臓炎が起こることがあるため、放射線科医と緊密に連絡を取りながら行います。

2)縦隔(じゅうかく)腫瘍

左右の肺に挟まれた胸の中央辺付近を縦隔といいます。縦隔にできる腫瘍としては胸腺腫や奇形腫などが多く発生します。小さい腫瘍であれば胸腔鏡(内視鏡)を用いて小さい傷で切除します。悪性度が高いものや大きいものでは胸骨を切開して手術を行います。

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胸腺腫という縦隔腫瘍のCT写真

3)気胸(ききょう)

何かの拍子に肺が破け、吸った空気が肺の外に漏れる状態(肺のパンク)を気胸といいます。肺が破ける原因は肺表面にブラと呼ばれる薄く弱い部分ができるためです。ブラは若くて背の高い男性の肺上部に多く発生します。パンクの状態が軽度の場合は安静で治療しますが、空気漏れがひどい場合は胸に空気抜きの管を入れて脱気(ドレナージといいます)をします。しかし安静や脱気だけで治療した場合、ブラは残っていますので再発することがあります。再発を繰り返す場合や、明らかに破れそうなブラがある場合は初回でも手術でブラを切除することをお勧めしています。当院では若い人に発生する、いわゆる特発性気胸に対するブラ切除はほぼ全例胸腔鏡下に行っています。

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肺の表面が薄くなった部分に穴が開いて肺がパンクしています。 1cm程の穴を3つあけます。 パンクしている部分を切り取ります。

4)胸部外傷

大部分は打撲による肋骨骨折を伴っています。肋骨骨折自体はほとんどの場合手術等の処置を必要とせず自然治癒します。しかし胸の中に内出血する血胸や肺が破けて胸の中に吸った空気がたまる気胸を伴っている場合、胸の中に管を入れて血抜きや空気抜きをする必要があります。痛みが強かったり、治りが悪い場合手術が必要なことがまれにあります。

5)炎症性疾患

肺炎がこじれると肺と胸の壁の間で菌が繁殖し膿胸という状態になることがあります。体力が弱っていたり、歯が悪い方に発生することが多く、治癒までに何ヶ月もかかったり、後遺症を残すことがある大変厄介な病気です。当科では膿胸の早期から胸腔鏡を用いた治療を行い、治療期間の短縮に勤めています。

6)内科的呼吸器疾患

薬物療法で改善しない慢性閉塞性肺疾患(COPD)に対する容量縮小手術、慢性咳そう(長びく咳)の精査、原因不明の胸水や心嚢水の精査と治療を行っています。これらの病気には肺癌や結核といった、恐ろしい病気が隠れていることがあります。当科ではこれらを見逃さないために、疑いがある患者さんにはCTや喀痰検査などの精密検査を行うことを勧めています。また内科的にはどうしても診断がつかない胸水や肺炎、肺の影に対して胸腔鏡検査を実施しています。

セカンドオピニオン外来

*主治医の診療内容に関する別の医師の意見をセカンドオピニオンといいます。当センターでは他院における肺癌、縦隔腫瘍の診療に関する相談外来(セカンドオピニオン外来)を保険診療外で行っております。
*患者さんご本人の来院を原則とします。もしご本人が来院できない場合はご家族だけでも結構ですが、その場合ご本人の相談同意書の持参をお願いします。
*来院時、主治医から
・診療情報提供書
・レントゲンフィルム
・CT・MRI検査のフィルムまたはCD-ROM
・各種検査結果記録(血液検査、病理検査など)
を用意してもらい、ご持参ください。
*相談時間は持参された資料を拝見する時間を含めて基本30分ですが60分まで延期可能です。
*完全予約制です。当院医療連携科にお問い合わせください。

以下の場合セカンドオピニオンのご依頼をお断りさせていただきます。
1)ご本人、ご家族以外からの相談。ご家族でもご本人の相談同意書を持参されていない場合。
2)すでに死亡した患者さんに関する相談。
3)主治医に対する不信感や不満に関する相談。医療訴訟に関する相談。
4)行われた検査の資料や診療情報提供症例をお持ちでないとき。主治医がセカンドオピニオンを受けることを承諾していないとき。

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