DPC対象病院

 当院は、入院医療費の算定にあたり、包括評価と出来高評価を組み合わせて計算する「DPC対象病院」となっています。

DPCとは

 入院患者の診療報酬額について、従来の出来高払いではなく、診断群分類に従った定額払いをする包括評価制度です。
 米国のDRG(Diagnosis Related Group)を基に、日本独自の「医師の診断(Diagnosis)」+「診療行為(Procedure)」+「組合せ(Combination)」で分類したDPC(Diagnosis Procedure Combination)が作られました。患者さんが該当する診断群分類(DPC)の点数に入院日数と病院ごとの係数を乗じて算定する診療報酬点数に、出来高部分の点数を加えたものが、その患者さんの入院医療費となります。
 この計算方式が適用されるのは、入院基本料や検査、投薬、注射、画像診断などで、手術、高額な処置、リハビリなど技術料部分は、従来通りの出来高払い方式が適用されます。
 2002年4月の診療報酬改定で、大学病院など特定機能病院に導入されることが決まり、2003年度から実施されました。

DPC対象外患者

  • 一般病棟以外の入院
  • 入院24時間以内に死亡した者、生後7日以内の新生児の死亡
  • 臓器移植者の一部、治験の対象者、高度先進医療の対象者
  • 診断群分類区分に当てはまらない患者

DPC対象外項目

  • 手術、麻酔・内視鏡検査、心臓カテーテル検査・診断穿刺、検体採取の手技料
  • リハビリテーション、精神療法・指導管理・放射線治療・1000点以上の処置など

DPC導入の背景

 日本には適正な医療費を算出したり、医療の質を客観的に評価できるデータがなく、さらに施設間の比較のためのツールもありませんでした。そのため全国共通の客観的評価ができるツールとして、DPCが導入されたと言われています。

DPC導入の成果

  • 個別の疾患における医療資源投入量の医療機関の格差を客観的に評価できる。
  • DPCという共通の指標を用いて、各医療機関の情報を透明化し、医療の質の向上、病院管理の効率化を図ることができる。
  • 国の医療費の予算の把握に役立ち、包括支払い制度により過剰な医療資源の投入を防ぐ。
  • ICDに基づくコーディングが一般化した。
  • クリニカルパスの開発と運用が進んだ。