このたびは病理診断科・臨床検査科にて2週間、小児科で2週間、合計で1ヶ月にわたり臨床実習をさせて頂きました。
病理診断科では、石原明先生に指導していただきながら、各科から依頼されてきた標本を見たり、切り出しを見学することができました。大学の講義では既に診断されているものを学ぶ事が多いのですが、今回の実習では実際に病理診断が行われる現場を経験する事ができましたし、マンツーマンで指導していただくことができたので、疑問点などを整理しながらしっかり学ぶ事ができました。また、細胞検査技師の方からも細胞診をご指導いただきました。組織診と比べ細胞診を学ぶ機会を持てずにいたので、基本的なことから丁寧に教えてくださり大変勉強になりました。
臨床検査科では、生理検査、一般検査、生化学検査、血液検査、輸血検査、細菌検査の6部門で1日ずつ実習をさせていただきました。臨床検査科での実習を希望したのは、診療の重要な軸の1つである検査に関して学ぶ機会が少ないなと感じ、実際どのように検査が行われてデータが医師の元に届けられているか知りたいと考えたためです。各部門では臨床検査技師の方々から、検査の一連の流れや検体の取り扱い方法など臨床的な事から、その原理、数値の妥当性など医学科の勉強ではなかなか学べない検査学の学問的なことまでご指導頂きました。今回の実習の様に臨床検査技師の先生方からご指導頂けるのはとても貴重な機会であり、これから医学を学び続けるにあたって良い経験になりました。
小児科では、山元芽衣先生に指導医となっていただき病棟と外来で実習しました。採血やルート確保、髄液検査やエコーなど間近で見学させていただきました。また、週1回の脳波カンファにも参加させていただきました。いままで脳波には苦手意識があったのですが、先生方から解説をしていただいたり、過去の症例のカルテを見せていただいたりすることで、苦手意識を克服する事ができました。大学病院ではあまり経験できない乳児の発熱や、髄膜炎などの感染症も学ぶ事ができて大変勉強になりました。感染症などcommon diseaseから代謝疾患などの珍しい疾患まで幅広い疾患の患者さんの診療をされていて、延岡病院が県北の要であるという事を実感する事ができました。
また、週に1回夜間の救急外来にて当直実習をし、様々な症例を見学することができました。日中の実習先に関わらず当直担当の先生方には指導をしていただき様々な科の急性疾患を学べました。
私は将来、出身地である延岡で働きたいと考えています。1ヶ月という短い期間ではありましたが、延岡市の医療の特徴や延岡病院の重要性を実感する事ができ、自分の将来像を描く上で大切な経験になったと思います。
慣れない環境で、いろいろと至らぬ点ばかりだったかとおもいますが、院長の柳邊安秀先生、副院長の寺尾公成先生、石原明先生をはじめ、小児科で指導医となってくださった山元芽衣先生、医事・経営企画課の竹村様、病理診断科・臨床検査科・小児科・救急外来のスタッフの皆様には大変温かく指導していただき、心から感謝しています。