臨床研修センター長 副院長(総括)土居 浩一
当院は宮崎県北部を中心とした医療人口は23万人の医療圏に位置し、県北唯一の高次医療施設であり、症例数の多さと、多彩な疾患のバリエーションが特徴です。当院は救急医療にも力を入れており、ドクターヘリや救急車による搬送数も年間5,000件を超え、令和3年4月からは当院所属の救急車型ドクターカーの運用も始まり、病院到着前からの初期診療をより早く開始することにより、重症患者さんの救命率の向上を目指しています。
19年前に卒後臨床研修制度が開始し、当初は宮崎大学と熊本大学の協力型プログラムの研修医の皆さんがほとんどでしたが、この6年間は当院基幹型プログラムや宮崎県立3病院をローテートするフェニックスプログラムに加え、済生会熊本病院のプログラム等、当院での研修に参加する医師数も増加し、それぞれのプログラム間の研修医が交わることにより、切磋琢磨と情報交換により洗練された研修教育環境にあります。
昼間はローテートする診療科で学び、夜間や休日の担当日は救急外来にて初期診療(ファーストタッチ)にあたり、上級医とともに症例ごとのdiscussionを行い、救急診療を充実させています。
さらに、毎月2回各診療科が持ち回りで研修医に有用な内容のセミナーを開催しています。例年10月から2月にかけて定期的に縫合実習をおこない、2月下旬にその成果を競う縫合コンテストも院内行事として開催されます。
また、毎年3月と9月に病院主催の延岡病院学会が開催されます。研修医は各自で興味あるテーマを選択し、リラックスした環境で学会発表をおこないます。学術活動に対する不安や苦手意識を取り払うだけでなく、診療の中での新しい発見や工夫を見出し、医療における創造性の向上も期待しています。
2024年から医療界においても働き方改革の導入が決まっており、卒後臨床研修も例外ではありません。時間内に通常業務が終了できるように、新たな工夫や慣習の見直し等を図り、得られた自分時間による健康面や余暇の充実につながる試みを開始しています。
今後も充実した臨床研修が受けられるよう、研修評価システムの改善や高いアドバイス効果が得られる、満足度の高い臨床研修制度の構築を推進して、皆さんの期待に応えていきたいと思います。
臨床研修センター長 土居 浩一
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