『令和五年度 大規模地震時医療活動訓練』参加について

救命救急科  金丸 勝弘

 南海トラフ地震を想定した医療活動訓練が9月30日(土) に開催され、災害拠点病院である当院も参加しました。災害拠点病院とは、災害発生時に被災地内の傷病者の受入及び搬出の拠点となる医療機関のことで、県が認定する要件には、24時間の緊急対応が可能であること、災害派遣医療チーム(DMAT)を保有すること、被災後3日間は病院機能を維持できるよう燃料や水や食料の備蓄を有することなどの条件を満たす必要があります。県内には当院を含む12医療機関が指定されています。大規模地震の発生時には、建物倒壊、火災や津波等により多数の負傷者の発生に加え、医療機関の被災に伴う多数の転院患者が発生します。医療ニーズが急激に増大し、県北の災害拠点病院の医療資源のみでは対応できない事態が想定されますので、DMATをはじめとする全国からの医療チームの受入れを迅速におこなって、最低限の災害医療対応が可能な体制および関係機関との連携体制を出来るだけ早く構築する必要があります。

 今回の訓練は、その対応を検証することを目的としたもので、被害状況が判明し始める発災2日目を想定して、宮崎県、大分県、四国4県の6県に全国のDMATが派遣されました。当院にも全国から18隊のDMATが救援に訪れてくれました。自衛隊ヘリで派遣されたチームもありました。この18隊を当院からさらに県北の9つの医療機関に派遣して、県北の被災状況の調査、支援物資の調達、災害医療活動のサポートなどをおこない、災害医療体制や連携体制を確認しました。 当院からもDMAT隊員だけでなく、寺尾病院長以下98人が訓練に参加しました。本番さながらに病院災害対策本部を設置して、病棟部門、トリアージ部門、救護所部門の災害時医療活動や派遣されたDMATとの連携を確認しました。

当院のDMATの面々(訓練終了後に撮影)
当院の災害対策本部(ミーティングの様子)
当院のDMAT活動拠点本部(ミーティングの様子)

トリアージ部門や救護所部門の受け入れ訓練(机上訓練)

病棟の受け入れ訓練(机上訓練)