こんにちは、さてこれまでの研修医ブログを拝見すると研修医室の紹介、救急科での研修などについて触れられていたので、私の方からは外病院での研修についてご紹介できればと思います。当院での研修を考えてくださっている学生さんからすると、なぜ外病院の紹介を?と思われるかもしれませんが、当院研修プログラムの大きな特徴でもありますので、最後まで読んで頂けると幸いです。
他の研修医と同じく、私も外病院研修を終えて12月に久しぶりに延岡に戻って参りました。県立延岡病院基幹型の研修プログラムでは、2年次に外の関連病院で最大6ヶ月間の研修を行うことができ、選択病院としては宮崎大学医学部附属病院、熊本大学病院、済生会日向病院、吉田病院、串間市民病院、五島・富江病院/奈留医療センターが挙げられます。その中でも県外の病院、特に離島での地域医療研修を行える点が当院プログラムの大きな特徴ではないでしょうか。実際に私も五島・富江病院にて研修をさせて頂き、このプログラムならではの学びを多く得ることができました。
当院は宮崎県北地域の三次救急を担う施設になります。普段の診療では、カルテ上でオーダーさえすれば時間内外関わらずに迅速に検査結果を得ることができ、充実した多職種スタッフの方々や他科の先生方のバックアップにより、とてもスピーディーな診療をおこなうことが可能です。しかしながら離島のような地域医療の現場では常勤のスタッフの方の数も限られ、夜間の救急対応時に血液検査やCT等の画像検査が必要な場合、まず技師さんを呼んで病院に来て頂くことから始まります。またMRIが未導入であったため、本当に必要な際には他病院を受診して頂く必要がありました。さらには人工呼吸器等の医療機器の数も限られていたため、入院患者さんの急変時には島内の他病院から緊急で機械を運んでもらったこともありました。1ヶ月間の研修を通して、普段いかに自分が恵まれた環境の中で診療をさせて頂いていたかを痛感したと同時に、より丁寧な診察をおこなうことや過不足のない検査オーダを立てることに改めて注力するようになりました。以前お世話になった先生が、「田舎に行ったときにこそ、その人の本当の診療能力が分かる」と仰っていたことを思い出し、まさしくその通りだなと実感した1ヶ月間になりました。
一方、大学病院の研修では、もちろん専門的で高度な診療にも触れることができますが、当院のプログラムは宮崎大学と熊本大学の両施設を選択できる点が特徴であると思います。研修医の中には、各病院の同じ科をまわることで地域ごとの特性や診療スタイルの違いに触れることができたという声もあり、より多角的な視点を身につけることが可能かもしれません。また県外研修では宿舎などの生活面も当院の方でしっかりサポートして頂けるので、安心して研修に専念することができます。
以上、外病院での研修についてご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。当院のプログラムは、地域医療(離島も含む)や大学病院での研修をうまく組み合わせることで、どの診療科に進む方でも有意義で実りある研修になるかと思います。
今後のブログも多岐にわたる内容が続きますので、ぜひ参考にして頂ければ幸いです。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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