宮崎大学医学部4年生 笹山 大輔さん(2024年3月5日)

 今回の病院見学では、自分の中の総合診療科のイメージをはっきりさせたいという視点で見学させていただきました。

 まず「縁・在宅クリニック」の訪問診療に同行させていただきました。

 こちらでは死亡確認・疼痛緩和のためのオピオイド投与・アルコール多飲によるビタミンB1欠乏・老衰など、聞き馴染みはあるものの臨床現場ではまだ見る機会がなかったような症例を見せていただき、非常に参考になりました。

 また、患者に関することだけではなく、それを支えるご家族の方の健康や保険制度の煩わしさ等、地域医療では避けて通れない事があり、医療従事者はどう対応すべきなのか勉強になりました。自分としても山間部の訪問診療に非常に興味があるので、今回同行させていただいたのは貴重な経験になりました。

 また、総合診療科の先生の元、県内でも随一の設備を保持するドクターカーを内見させていただいたり、入院されている患者さんの回診につかせていただいたり、実際に病院の指針についての話し合いも聞かせていただきました。

 総合診療科は県内ではまだネームバリューとしてはそこまで強くないというのが個人的な感覚ですが、「症例を充てられたから治療する」だけではなく、「地域全体で症例を減らすために医師ができることは何か」という視点で、個人の遺伝子や体質だけではなく環境要因や社会制度をよりよくしていく「社会的処方」の点でやはり良い診療科だと感じました。

 最後には院長先生から医学と医療の違いなど普段あまり意識しないけれど確かに考えるべき事柄のお話しを聞かせていただきました。

 また、訪問診療同行中に研修医の先生からも県立延岡病院の良さについて聞かせていただきました。

 これから教育制度が良くなっていくであろうことや、他にも県内有数の実績を持つ科(特に救急科や循環器内科)が存在していることを教えていただきました。

 クリクラⅠの救急でもお世話になりますが、是非また病院見学としてこちらに伺わせていただきたいという思いが強いです。

 いずれの見学先でも関わった皆様に本当に良くしていただきました。また、訪問診療や総合診療科についてもっと知りたいという気持ちが強くなりました。
 ありがとうございました。