当院でのせん妄に対する取組について
はじめに
せん妄とは、身体的要因や薬剤が誘発した意識障害であり、一般の総合病院入院患者の2~3割に認められると言われています。入院して急にボケた、認知症になったと言われるものは大抵せん妄です。せん妄は、身体の症状の一つであり、認知症や精神病になったのではありません。適切な治療を行えば、多くの患者で症状が改善します。
当院でのせん妄対応
当院では、2014年11月よりDelirium Team Approach(DELTA)プログラムを導入しております。これは、国立がん研究センター東病院で開発されたプログラムで、各職種がチームとなって入院中の患者に生じるせん妄の予防、初期対応が出来るようにしたものです。せん妄によって生じる転倒・転落や点滴ルートの自己抜去などの医療事故の減少、速やかな対応による患者さんやその家族の動揺軽減、医療スタッフの対処スキル向上と疲弊軽減、入院期間の短縮などを目的としています。
当院におけるDELTAプログラムの流れ
今後の継続フォローのお願い
当院で入院加療を行った患者さんの継続加療をお引き受け下さる医療機関の皆さんにおかれましては、心より御礼申し上げます。
当院入院中にせん妄を発症した患者さん、せん妄のハイリスク症例でせん妄予防対策が施された患者さん、あるいは退院時に向精神薬を内服されている患者さんには、当院の認知症ケア・DELTAチームが介入、または宮崎県立宮崎病院の精神科医師が介入し対応されている場合があります。
当院よりご紹介した患者さんで、抗精神病薬の調整方法などは主治医からの情報提供書などをご参考頂き、不明な点がございましたら当院へお問い合わせいただけましたら幸いです。
せん妄の直接原因となり得るベンゾジアゼピン系薬剤の今後のご使用につきましては、くれぐれもご注意いただきますようお願い申し上げます。
令和5年3月
認知症ケア・DELTA委員会