臨床検査科
臨床検査科の理念
「迅速かつ正確な検査を通じて患者さんの診療支援をおこないます」
臨床検査は、患者さんから採取した血液、尿などさまざまな検体の分析をおこなう検体検査と、心電図・超音波・肺機能など、体から直接測定して得た情報により、各部位の機能を調べる生理検査の二つに大別されます。
これらのデータは診断の指標や治療の効果を見るためには不可欠で、業務が途絶えることがないよう24時間体制(時間外は2名)で臨床検査技師が検査業務をおこなっています。
患者様へのより良い医療の手助けになれるよう、臨床への迅速で正確な情報の提供を心がけています。
臨床検査科は、臨床検査科主任部長、病理診断科主任部長の医師2名と臨床検査技師29名(正規職員20名)で構成されています。
「臨床検査」は内容が多岐にわたり、さまざまな分野に分かれています。各部門を簡単に紹介します。
検体検査部門
生化学検査
血液中の蛋白質、脂質、糖質、各種酵素を測定し、肝機能、腎機能や炎症の有無などを調べます。また、肝炎ウイルスや甲状腺ホルモン、各種腫瘍マーカーも調べます。
血液・凝固検査
血液検査では、赤血球・白血球・血小板などを測定します。ヘモグロビン濃度で貧血の有無がわかります。白血球は、炎症(感染症)や白血病などで高値になることがあります。血小板は止血の働きがありますので、低下すると出血しやすくなります。凝固検査は、血液がかたまる機能や、血栓症の原因となる凝固異常を調べる検査です。
一般検査
尿では腎機能障害、尿路系疾患、糖尿病などを調べます。便では下部消化管のわずかな出血を検出することで、大腸がんの早期発見につながります。
輸血検査
血液型や輸血される血液(献血により得られたもの)と輸血を受ける方の血液が適合するかどうかを調べます。
細菌検査
喀痰や膿、血液等あらゆる検体から感染症の原因となる細菌などがないか調べます(結核菌、MRSA,インフルエンザなどの各種病原菌)。また、院内感染情報の提供やラウンドに参加するなど院内感染対策の一翼を担っています。
生理検査部門
循環生理機能検査、呼吸生理機能検査、脳神経生理検査、超音波検査、心臓カテーテル検査業務について以下の項目をおこなっています。
循環生理機能検査項目
心電図検査
運動負荷心電図検査(マスター2階段負荷心電図・トレッドミル負荷心電図)
ホルター心電図検査(24時間・長期間)
24時間血圧測定
睡眠時無呼吸症候群検査
足関節上腕血圧比(ABI)
皮膚組織灌流圧(SPP)
呼吸生理機能検査項目
肺活量(肺気量分画・フローボリューム, 機能的残気量, 肺拡散能力)
呼吸抵抗
呼気中NO(一酸化窒素)濃度
脳神経生理検査項目
脳波検査
聴性脳幹反応検査(ABR)
超音波検査項目
心臓超音波検査
経食道心臓超音波検査
腹部超音波検査
頸部血管超音波検査
血管超音波検査(上下肢動静脈・腎動脈・大血管など)
心臓血管カテーテル検査
カーディオバスキュラーチームとして24時間、他職種と共に冠動脈や血管の検査・治療に携わり、心電図・心腔内圧の記録および監視、術後や急変時の超音波や、周辺機器の操作をおこないます。
各種認定資格(令和7年4月1日現在)
- 認定輸血検査技師 1名
- 認定超音波検査士 5名 ※資格の重複あり
(循環器5名、 消化器3名、 血管3名、 泌尿器2名、産婦人科1名、体表2名、健診1名) - 血管診療技師 2名
- 心血管インターベンション技師 2名
- 認定血液検査技師 2名
- 骨髄検査技師 1名
- 認定サイトメトリー技術者 1名
- 認定臨床微生物検査技師 1名
- 細胞検査士 2名