臨床検査科

臨床検査科の理念
「迅速かつ正確な検査を通じて患者さんの診療支援を行います」 

臨床検査は、患者様から採取した血液、尿などさまざまな検体の分析を行う検体検査と、心電図・超音波・肺機能など、体から直接測定して得た情報により、各部位の機能を調べる生理検査の二つに大別されます。
これらのデータは診断の指標や治療の効果を見るためには不可欠で、業務が途絶えることがないよう24時間体制(時間外は2名)で臨床検査技師が検査業務を行っています。
患者様へのより良い医療の手助けになれるよう、臨床への迅速で正確な情報の提供を心がけています。

臨床検査業務は、病理診断科と合わせて医師2名と臨床検査技師30名(正規職員21名)で構成されています。
「臨床検査」は内容が多岐にわたり、さまざまな分野に分かれています。各部門を簡単に紹介します。

検体検査部門

生化学検査

血液中の蛋白質、脂質、糖質、各種酵素を測定し、肝機能、腎機能や炎症の有無などを調べます。また、肝炎ウイルスや甲状腺ホルモン、各種腫瘍マーカーも調べます。

血液・凝固検査

血液検査では、赤血球・白血球・血小板などを測定します。ヘモグロビン濃度で貧血の有無がわかります。白血球は、炎症(感染症)や白血病などで高値になることがあります。血小板は止血の働きがありますので、低下すると出血しやすくなります。凝固検査は、血液がかたまる機能や、血栓症の原因となる凝固異常を調べる検査です。

一般検査

尿では腎機能障害、尿路系疾患、糖尿病などを調べます。便では下部消化管のわずかな出血を検出することで、大腸がんの早期発見につながります。

輸血検査

血液型や輸血される血液(献血により得られたもの)と輸血を受ける方の血液が適合するかどうかを調べます。

細菌検査

喀痰や膿、血液等あらゆる検体から感染症の原因となる細菌などがないか調べます(結核菌、MRSA,インフルエンザなどの各種病原菌)。また、院内感染情報の提供やラウンドに参加するなど院内感染対策の一翼を担っています。

生理検査部門

心電図や超音波検査など患者さんの体に直接触れて行う検査です。以下の項目を行っています。

心電図検査

心筋の活動電位を波形として表し、虚血や不整脈等を検査します。

負荷心電図検査:マスター負荷試験、トレッドミル

運動により心臓に負荷をかけて、心電図の変化や症状の有無を検査します。

ホルター心電図検査

小型の機械を装着して24時間の心電図を記録し、虚血や不整脈等の検査をします。

睡眠時無呼吸検査

睡眠時の呼吸、SpO2、脈拍等を検査します。

超音波検査:心臓、腹部、頚部血管、下肢血管、腎動脈

心臓・腹腔内臓器の形態的異常、病変の有無、血管の閉塞や狭窄、血栓の有無等を検査します。

血圧脈波検査

両手、両足の血圧を測定し、動脈硬化の程度を検査します。

皮膚組織灌流圧検査

末梢血管領域の虚血の程度を検査します。

肺機能検査

肺の換気量を測定し、拘束性や閉塞性障害の有無や程度を検査します。

脳波検査

大脳皮質の電気的活動状態を波形で表し、てんかんや脳の器質的疾患等を検査します。

聴性脳幹反応検査

脳幹から出てくる聴覚進路の脳波を解析し、先天性の聴力障害、難聴、腫瘍等の有無を検査します。

各種認定資格(令和6年12月1日現在)

  • 認定輸血検査技師 1名
  • 認定超音波検査士 5名 ※資格の重複あり
    (循環器5名、 消化器3名、 血管3名、 泌尿器2名、産婦人科1名、体表2名、健診1名)
  • 血管診療技師  2名
  • 心血管インターベンション技師  3名
  • 認定血液検査技師  2名
  • 骨髄検査技師  1名
  • 細胞検査士  2名