熊本大学協力型 平山雄大 (2010年4月~2011年3月)

 私は福岡大学医学部を卒業し1年目の研修を宮崎県立延岡病院でさせていただきました。知らない土地で誰一人知らない状態での研修スタートでしたので正直不安でいっぱいでした。しかし、同期や2年目の研修医の先輩に恵まれすぐにその不安もなくなりました。

この1年間様々なことを各科で勉強させていただきましたがその概要を記載させてもらいます。

 4月~6月:麻酔科

 麻酔科では周術期管理の勉強をさせていただきました。挿管、脊椎麻酔、硬膜外麻酔、静脈ライン確保、動脈ライン確保など様々な手技を勉強させていただきました。また4月のうちにBLS、ACLSのプロバイダーをどちらも無料で取らせていただきました。同時に4月から救急当直も始まりました。当直は月に4~5回あり、県立延岡病院の救急外来は風邪や頭痛から多発外傷、心筋梗塞、脳出血、心肺停止までなんでも来ます。内科直、外科直の先生方にいろいろなことを教えていただきながらこの1年間勉強させてもらいました。

 7月~10月:内科(呼吸器内科、血液内科、腎臓内科)

 内科では初めての担当患者を持つこととなりました。薬の処方、インフォームドコンセント、化学療法、胸腔穿刺、胸腔ドレーン留置、気管支鏡、上部消化管内視鏡、透析ルート確保などいろいろな経験をさせていただきました。また、剖検にも入らせていただき、その症例について病院内の学会で発表をさせていただきました。

11月~12月:循環器内科

 当院の循環器内科のカテーテル検査、PCIの数は多いです。予定カテ以外にも救急車で運ばれた狭心症や心筋梗塞の方にはもちろん夜中でも治療をします。カテーテル検査では動脈穿刺、スワンガンツカテーテル、左室造影、大動脈造影などさせていただき、病棟ではCVラインの確保、ICU・HCU管理などの勉強させてもらいました。忙しくつらい時期もありましたが患者さんの命を救ったという達成感はどの科よりも強いです。

1月:小児科

救急外来で多い小児の発熱や嘔吐。1月に小児科を回るまで子供のルート確保や採血はあまり行う機会がありませんでした。この1か月で小児のルートを取れるようになろうという目標を持って1か月研修しましたがやはり1か月では難しかったです。1か月を通してインフルエンザ、ロタ、てんかん、熱性けいれん、喘息、川崎病など様々な疾患を見ることができました。

2月:産婦人科

 産婦人科は初めての外科系の研修でした。初めは縫合もぎこちなくしかできませんでしたがこの1か月で成長できました。病棟では化学療法、産科エコー、婦人科エコーなどもさせていただきました。学生の時は帝王切開でしか子供が生まれる瞬間を見られませんでしたが、経膣分娩の出産も多数経験できました。やはり子供が生まれる瞬間はすごく感動で母と子が初めて対面する瞬間はなんとも言えません。

3月:整形外科

 整形外科はもちろん手術が多く、大腿骨から上腕骨、橈骨、脛骨骨折など様々な骨折の骨接合術や大腿骨頭置換術、膝関節置換術、頸椎の椎弓形成術などほんとにいろいろな手術を経験させてもらいました。大腿骨転子部骨折の骨接合術ではもちろんいろいろ教えてもらいながらですがほぼ一人で手術をさせていただきました。とても貴重な経験でした。

 この1年間県立延岡病院で研修させていただいて一言で感想を言わせてもらうととにかく楽しかったということです。この1年で医師として人間として大きく成長できたと思います。そしてこの県立延岡病院で研修できたことを誇りに思います。この1年の経験を活かし来年度の研修も頑張っていきたいです。