熊本大学協力型 甲斐 裕基 (2014年10月~2015年9月)

 私は熊大プログラムの協力型としてこの延岡病院に希望を出して、1年間研修させて頂きました。

 希望の理由としては、何と言っても、先輩が延岡で研修を受けて熊本に帰ってきて、何かやり遂げたような清々しい表情をしていたからです。その他の理由としては、病院説明会で寺尾副院長のプレゼンテーションを見て、直感的に良さそうに思ったことと、熊本を離れてみたかったことです。

 研修をしてみて、全体的な印象としては、各科の先生方はもちろんのこと、看護師や技師の方々も優しく(もちろん、時には厳しく)、とても働きやすかったです。同期の研修医も同じ感想を抱いていて、仕事量が多いときでも、不思議とストレスをあまり感じませんでした。

 当院は宮崎県北部最後の砦ですので、多種多様な症例が集まるため、ERは研修の目玉だと思います。ERですが、昼の部と時間外の二種類があり、昼の部は救急の竹智先生指導の元、研修を受けます。トリアージ後、各専門科の先生が呼ばれますので、専門医の考え方を学ぶことができます。当直で悩み、抱いた疑問があれば、尋ねるといいと思います。救急車が来ない時には手術室で麻酔をかけますので、いいとこ取りの研修を行えます。

 時間外はいわゆる当直で、研修医一人と外科系医師、内科系医師の三人で行い、必要があれば各科にコンサルトを行います。多くの症例で研修医がファーストタッチを行い、評価を行い、上級医に報告します。最前線で診ることになっていて、私のような小心者には不安でしたが、基本的に、帰宅可能と判断される症例も帰宅の前に報告することになっていますので、ここでフィードバックを受けられ、必要以上に不安を感じなくなりました。もちろん、バイタルサインが崩れているなど、応援がほしい状態であれば、すぐに上級医に相談しても大丈夫でした。やはり、患者さんのことが優先ですので、快く応援に来てくださいました。このように、最前線に放り込まれても、放置はされませんので、その点は安心でした。また、必死に考えるので、そのことは頭に残るし、昼の部の救急もそうですが、各科の垣根も低いので、当直で生まれた疑問も尋ねやすいです。

 当院では熱い指導医が多かったですが、中でも、麻酔科のY先生には特にお世話になりました。一生のうちでこれ以上熱い先生に出会うか分かりません。当院で研修を受けると、もしかしたら、私のようにとてもお世話になる先生に出会うかもしれません。一考の価値があると思います。

 最後に、かけがえのない一年をありがとうございました。延岡で研修ができて良かったです。ありがとうございました。

1DSC_0058.jpg
1DSC_0056.jpg