私は熊本大学初期臨床研修プログラムのたすき掛け先として、研修医1年目の1年間を県立延岡病院で研修させていただきました。1年前の春、研修医としてという前に社会人としてやっていけるのか大変不安な状態で延岡に赴きました。しかし、根本的に全くしっかりしていない自分を、寺尾副院長をはじめ延岡病院のあらゆる診療科の先生方及び医療従事者の皆様が、大変気さくにおおらかに受け入れてくださったおかげで、一年間のびのびと研修することができました。想像していたよりはるかに楽しく、刺激的で、有意義な研修ができました。本当にありがとうございました。
多彩な症例が集まる救急病院で研修したいという思いで延岡病院へ来たこともあり、3ヶ月の救急研修、及びER当直は、私にとって大変思い入れのある研修となりました。救急科研修では救急のゼロから始まり、どこへ行っても通用するスタンダードなやり方を叩き込んでくださいました。重症患者さんの入院についても数多く経験でき、寸暇を惜しんで症例の振り返り、講義、実技の練習、シミュレーションもしてくださり、充実した救急研修でした。診療以外でもBLS、ISLS、ICLS、メディカルラリーなど様々な場に参加させていただき、モチベーションを保って研修できました。最初は立っているだけで精一杯だったER当直でしたが、少しずつできることも増え、自分なりの成長を感じることもできて嬉しく思います。
私は3ヶ月の救急科のほか、5つの内科、産婦人科、小児科、麻酔科で研修を行いました。どの診療科でも熱く研修医指導をしてくださり、有意義な研修ができました。中でも2ヶ月間お世話になった循環器内科では、毎日朝から晩まで心カテの予定が詰まっている中、研修医にも積極的に手を出させてくださり、検査入院の症例から心筋梗塞、心不全、心筋症など幅広い症例を勉強できました。また病院学会のために、大変お忙しい時間を割いて研究のご指導もしてくださり、自分の満足する形で発表することができました。本当にありがとうございました。
また、延岡病院は熊本大学と宮崎大学の両方から医師、研修医が集まっており、大学の垣根を越えた出会いがありました。2つの大学どちらからも距離のある地理的な条件から、結束力も生じるのか、延岡で出会った研修医はとても大切な仲間になったと感じます。
1年を振り返って、延岡でたくさんの経験をさせていただいたと感じています。延岡で学んだことを胸に、次の場所でも思い切り頑張って、早く社会に還元できるよう成長したいです。