宮崎大学6年生 升田裕子さん

県立延岡病院2週間の実習を終えて(クリニカル・クラークシップ)

 4月16日から二週間、内科を中心に実習させていただきました。延岡は母の故郷であり、小さいときから何度も訪れたことのある地であるため、馴染み深くい土地でした。しかし、慣れている大学付属病院以外の病院で長期間実習した経験がないため、どのような二週間になるのか想像しがたく、二週間の実習が始まる前は大変緊張していました。実際実習が始まって、内科部長の山口先生をはじめ、循環器内科、呼吸器内科、腎臓内科の先生方、研修医の先生方、看護師スタッフの方々、事務の方すべての方から親切に暖かく接していただいて、何不自由なく二週間を過ごさせていただきました。私の個人的な希望で内科以外に興味のある精神科にも実習させていただく機会を設けていただいたり、学生の私たちが居心地よく実習できる環境を存分に提供していただきました。本当にありがとうございました。

 二週間の実習中に感じたことは、患者との接し方です。普段大規模な大学病院で実習しているとき以上に患者と接する機会が多かったと感じました。外来、回診、研修医の先生に付き添って、検査を見学したり、とほんとうにたくさんの患者と接し、話しをたくさん聞かせていただきました。今回の二週間が研修医の先生方に付きっきりで付かせて頂いて本当に良かったと思います。本当に近い将来なりえる研修医の先生の患者に対する声のかけ方、接し方などを見て「来年自分も同じような立場に立って、患者とせっしているのだろうな」と今までになかった現実感と共に良い刺激を与えてくれました。これまでなんとなく学生を過ごしてきた、と言っては語弊がありますが、正直自分が医師として患者と接し、患者の病と向き合う存在になることが具体的に想像できませんでした。五年生の一年間、実際臨床の場を見学していきましたが、環境に慣れることであったり、担当患者の疾患を教科書で理解することに集中して、自分が医師となって同じような業務をする自覚が成り立っていなかったと思います。環境を変えて、県立延岡病院で実習できたことは医師になるというモチベーションを私の中で芽生えさせるよい機会となりました。

 最後に、地域医療について感じたこと述べたいと思います。私の叔父が10年くらい前から延岡で個人病院を開業して、学生時代にも彼から医療に関するお話を聞く機会が何度もありました。彼は在宅医療にも着手したり、多くの患者を診てきたり、と延岡の地域医療に貢献している存在であると思います。時々、重症患者を県立延岡病院に紹介したりもしていました。県立延岡からも叔父の病院でfollowしているということもあります。実習中に転院先、紹介先といった単語を何度も耳にしましたが、それぞれの役割を担って、協力していかなくては地域医療が成り立たないのだなと心から感じました。最後のまとめでも聞かれた「みんなで延岡に貢献して頑張っていこう」という言葉が本当に印象的でした。私も来年医療者として、どの地域で医療に携わるか分かりませんが、どこの地域にいても自分の役割を全うして、その地域に貢献できればと思います。

 色々なことを学ばせて頂ける有意義な二週間となりました。県立延岡病院の方々、二週間本当にありがとうございました。