九州大学歯学部6年 工藤幸暉さん(2015年6月30日)

延岡病院での見学を終えて

 今回は2回目の延岡病院歯科口腔外科の見学でした。
 前回は、まだ単独型での歯科研修医制度が始まる前ということもあり、病院の施設案内を中心に病院の魅力を実感させていただきましたが、今回は、実際の診療を見てみたい、また、前回はまだいらっしゃらなかった研修医の先生から直接お話を伺いたいと思い、見学させていただきました。

 実際に研修の様子を見てまず感じたのは、先生方の熱意でした。
 研修医の先生は初診の患者さんを中心に診察・診断し、カルテまで書かれていましたが、ライターの先生がお忙しい中しっかり添削してくれる上に、診療後は研修医の先生が診た1人1人の患者さんのフィードバックまでしてくださっていました。その内容も症例を徐々に掘り下げていくもので、歯科的な観点はもちろんですが、全身的な観点まで網羅したもので、非常に濃いものでした。

 また、週に1度、先生方から全身疾患や外科の講義があり、同じく週に1度英語の論文の抄読会もあり、更には医科も含めた院内勉強会にも参加させていただけるとのことで、チーム医療や全人的な医療を目指した素晴らしい教育環境が整っていました。

 そして、もう1つの目的である、研修医の先生とお話しをする機会もありました。鹿嶋先生は、「実際に研修をしている人から悪口でも聞いてね!」とおっしゃっていましたが、研修医の先生たちからは本当に充実した研修内容のお話ばかり出ていて、お二人とも、できればもう1年残りたいとおっしゃっていました。そして、それは建前でもなんでもなく、本心でそう言っているのが見学を通して僕も分かりました。

 医科の研修医とも同じ研修医室でお互いに分からないことを教え合っていること、どんなに忙しくても先生方は丁寧に指導してくださるので、それに応えるために頑張ろうと思えることなど、去年見学させていただいたときに、鹿嶋先生が何度も仰っていた、「医療人として分け隔てなく働く環境」や「全身からもアプローチする目を持った歯科医師の教育」など、これからの歯科医師には必須の、理想的な教育方針が実現されていました。

 去年と違い、私は大学の臨床実習もほとんど終え、他の病院も見学させていただきましたが、延岡病院は教育体制が非常に充実していて、先生やスタッフの方々も熱意があり、研修医という歯科医師としての初めのステップには十分すぎる環境でした。見学に行ったことでまた新たな目標ができ、是非ここで研修させていただきたいと思いました。

 最後になりましたが、見学当日はお忙しい中、院長先生、副院長先生、歯科口腔外科の先生方やスタッフの皆様が貴重なお時間を割いて、延岡病院での研修の魅力を教えてくださいました。また、どの方も温かく迎えてくださり、気さくに話しかけてくださって、緊張がほぐれた状態でしっかり見学できました。本当にありがとうございました。