宮崎大学6年生 鞆田昂一郎さん 

県立延岡病院でのクリニカル・クラークシップを終えて

  今回は、救急救命科、麻酔科を中心に2週間の実習をさせていただきました。

 普段はオペ室で麻酔科の実習をしながら、救急搬送があれば1階の救急外来に行って救急救命科の実習という、研修医の先生と同じパターンで行動していました。日によって搬送の頻度に変動はあるものの、けっこう慌ただしくて、あっという間に1日が過ぎていく感じがしていました。それだけに密度の濃い実習ができたように思います。

 救急外来では、軽症から重症まで様々な患者さんが搬送されてきました。これまで教科書の中でしか知らなかった患者さんの実際の様子や処置の流れを目の当たりにできて、とても良い勉強になったと思います。5年の実習で学生同士で軽くやっただけでなかなか身につかなかった12誘導の取り方も、診療の中で患者さんを相手にすることで1回で頭に入り、いろいろなことを実際にさせてもらえることの重要性を改めて感じました。また、最重症の患者さんは心肺停止の状態で搬送されてきますが、処置の甲斐なく亡くなってしまうこともありました。これまでそういった場面に遭遇したことのなかった自分には、とても強く印象に残る出来事でした。

 麻酔科では様々な疾患の手術における麻酔について見学をしました。毎朝のカンファレンスに参加することで、それぞれの症例の問題点について考える機会を持てたと思います。また、英語の論文や教科書を用いた勉強会やBLSの講習会にも参加させていただき、県立延岡病院ならではの実習をさせていただけたのではないかと感じています。最近のトピックとして、搬送の場面を見ることはできませんでしたが、ドクターヘリを要請して患者さんを搬送した症例にもあたり、興味をひかれました。

実習期間の2週間は普段使われていない病室を貸していただいて寝泊りしていましたが、最初はなかなか勝手が分からないところからだんだん慣れてくる過程が入院患者さんも同じような感じなんだろうと興味深い経験になりました。

 終わってみると、本当にあっという間の2週間でした。先生方にはたくさんのことを教えていただき、とても勉強になりました。また、一緒に行動させていただいた研修医の先生方の、忙しいながらも充実している感じ、和気藹々とした雰囲気の中で研修されてる様子も印象に残っています。

 最後になりますが、院長の楠元先生、副院長の寺尾先生をはじめ諸先生方、様々なお世話をしてくださった事務部の方々、2週間という短い期間ではありましたが、とても良い実習をさせていただきました。本当にありがとうございました。

県立延岡病院2週間の実習を終えて(クリニカル・クラークシップ)

 4月16日から二週間、内科を中心に実習させていただきました。延岡は母の故郷であり、小さいときから何度も訪れたことのある地であるため、馴染み深くい土地でした。しかし、慣れている大学付属病院以外の病院で長期間実習した経験がないため、どのような二週間になるのか想像しがたく、二週間の実習が始まる前は大変緊張していました。実際実習が始まって、内科部長の山口先生をはじめ、循環器内科、呼吸器内科、腎臓内科の先生方、研修医の先生方、看護師スタッフの方々、事務の方すべての方から親切に暖かく接していただいて、何不自由なく二週間を過ごさせていただきました。私の個人的な希望で内科以外に興味のある精神科にも実習させていただく機会を設けていただいたり、学生の私たちが居心地よく実習できる環境を存分に提供していただきました。本当にありがとうございました。

 二週間の実習中に感じたことは、患者との接し方です。普段大規模な大学病院で実習しているとき以上に患者と接する機会が多かったと感じました。外来、回診、研修医の先生に付き添って、検査を見学したり、とほんとうにたくさんの患者と接し、話しをたくさん聞かせていただきました。今回の二週間が研修医の先生方に付きっきりで付かせて頂いて本当に良かったと思います。本当に近い将来なりえる研修医の先生の患者に対する声のかけ方、接し方などを見て「来年自分も同じような立場に立って、患者とせっしているのだろうな」と今までになかった現実感と共に良い刺激を与えてくれました。これまでなんとなく学生を過ごしてきた、と言っては語弊がありますが、正直自分が医師として患者と接し、患者の病と向き合う存在になることが具体的に想像できませんでした。五年生の一年間、実際臨床の場を見学していきましたが、環境に慣れることであったり、担当患者の疾患を教科書で理解することに集中して、自分が医師となって同じような業務をする自覚が成り立っていなかったと思います。環境を変えて、県立延岡病院で実習できたことは医師になるというモチベーションを私の中で芽生えさせるよい機会となりました。

 最後に、地域医療について感じたこと述べたいと思います。私の叔父が10年くらい前から延岡で個人病院を開業して、学生時代にも彼から医療に関するお話を聞く機会が何度もありました。彼は在宅医療にも着手したり、多くの患者を診てきたり、と延岡の地域医療に貢献している存在であると思います。時々、重症患者を県立延岡病院に紹介したりもしていました。県立延岡からも叔父の病院でfollowしているということもあります。実習中に転院先、紹介先といった単語を何度も耳にしましたが、それぞれの役割を担って、協力していかなくては地域医療が成り立たないのだなと心から感じました。最後のまとめでも聞かれた「みんなで延岡に貢献して頑張っていこう」という言葉が本当に印象的でした。私も来年医療者として、どの地域で医療に携わるか分かりませんが、どこの地域にいても自分の役割を全うして、その地域に貢献できればと思います。

 色々なことを学ばせて頂ける有意義な二週間となりました。県立延岡病院の方々、二週間本当にありがとうございました。

今回、2日間の病院見学、特に研修医の先生方が実際に研修をされている姿を主に見学させていただきました。
1日目の午前中の消化器内視鏡では、主に研修医の先生方が3人で交代で内視鏡を行われていました。見学したのが5月だったにもかかわらず、1年目の先生方がほとんどされていて多くの手技が学べそうだと感じます。もちろん研修医の先生の横には指導医の先生方がいらっしゃり、いつでもアドバイスできる体制が確立されていました。

午後は心臓カテーテル検査を見学しましたが、その日は午後からだったにもかかわらず5件もあり症例数の多さに驚きました。研修医の先生がまず橈骨動脈・上腕動脈の穿刺を行い、そこから指導医の先生がカテーテルを挿入されていました。検査の空き時間には患者さんの状態や今までに受け持った患者さんを丁寧に説明していただきました。

そして夕方には救急を中心に各科がレクチャーをするという研修医のための勉強会に幸運にも参加させていただきました。その日は循環器内科が担当で、必ず除外診断すべき疾患と除外するための所見や検査についてレクチャーを受けました。研修医の先生方はどの科を回っておられても、勉強会には必ず出席できる工夫がされていて勉強面でのサポートも充実していると思います。その中で救急で来られた患者さんでどういった状態だったら家に帰しても大丈夫なのか?!どういった状態ならばコンサルトすべきか?!
といった具体的な質問も研修医の先生方からあげられていて、勉強会に対する真剣さがすごく伝わりました。

夜から2日目にかけて救急当直をさせていただきました。県立延岡病院は救急が特色であると聞いていましたので、期待と不安の両方が存在していました。その日は偶然1人しか来院されませんでしたが、基本的に研修医の先生が診察を1人で行ってから内科系、外科系それぞれ1人ずつ当直されている指導医の先生にコンサルトしていました。すると指導医の先生はすぐ来て下さり、一緒に診察を行いました。診察後には除外すべき診断やその根拠・対処法などをレクチャーして下さいました。1人だけで診断するのではなくすぐ後ろに上の先生がいることは学生ながらに心強く感じました。また、救急というのは非常に貴重な経験を積めるのだと感じました。

県立延岡病院の研修については研修医の先生方から異口同音に「指導してくれる先生がやさしく、熱心である」と教えていただきました。またある研修医の先生は「可能であるならばもう少しここで研修を続けたい」と仰っていたりと研修プログラムの充実ぶりを聞くことができました。

僕自身が元々宮崎出身ということもあり、今回縁あって県立延岡病院を見学でき非常に有意義な時間を過ごさせていただきました。
最後となりましたが、寺尾先生を始め、指導医・研修医の先生方、病院のスタッフの方々、お忙しい時期に快く見学させていただきありがとうございました。

 先日は、宮崎県立延岡病院の産婦人科・周産期科、循環器内科、救急外来の3つの部門を2日間に渡って見学・勉強させていただき誠にありがとうございました。寺尾先生には産婦人科・周産期科の見学、そして宮崎県立延岡病院の魅力と現実を2日間にわたって真摯にお話し頂きありがとうございました。

 初日は、午後から産婦人科・周産期科の方で、NICU、経腟分娩、子宮全摘術、膀胱鏡での膀胱内腔検査、腹腔内出血の緊急オペ、そして病理組織作成の方を見学させてもらいました。他の病院では余り見学したことのないNICUの中を見る事が出来たのは驚きでした。

 経腟分娩の際に臍帯を掴み胎盤を引き抜く時は戸惑いましたが、先生方から丁寧に教えて頂き勉強になりました。もう少し力強く引っ張ってよかったのだなと実感できました。子供が生まれてくる様子は例えようの無い瞬間で、忘れられません。

 子宮全摘術は、動脈を探し当て結紮する、繊細な作業時の緊張感は現場でしか味わえないものがありました。術後の膀胱鏡を実際に自分にさせて頂き、膀胱鏡の動かし方と、なぜその検査をするのかも教えてもらえて、理解する事が出来ました。ありがとうございました。

 二日目の午前と午後は循環器内科の血管造影室を見学させて頂きました。CAG・PCIが計7例行われ、手術中には段階ごとに解説も加えて頂き、4年生の自分にも非常に分かりやすかったです。右冠動脈、左前下行枝、回旋枝に対するバルーン血管形成術、ステント留置により、冠動脈の狭窄部位が無事開いた時は、その淀みない血行動態が素直にきれいだと思いました。

 救急外来の当直では、研修医の先生と行動を共に出来て、2年後実際に働くとしたら、と想定した時の自分の働いている様子がイメージできて良かったです。研修医の先生が外科の先生・内科の先生に指導され、学びながら診察に当たっている姿が印象的でした。

 他にも、産婦人科医二八会や、緊急オペ、心エコー・カラードプラーなど、2日間で非常に得難い密度の濃い体験ができ、勉強になりました。各科毎に先生が1人付いて、面倒を見て下さったおかげです。4年生で病院見学は、まだ早いかと不安でしたが、現場に飛び込んでみて間違いは無かったと思える2日間でした。本当にありがとうございました。

 宮崎大学医学部附属病院2年目研修医の佐藤智代です。
 私は延岡病院にて、麻酔科、産婦人科、救急科の計6ヶ月間研修しました。最初は4ヶ月の予定だったのですが、延岡病院が気に入り、研修を延長しました。

 延岡病院の研修の魅力は、夜間休日の救急外来当直だと思います。延岡病院は宮崎県北の救急医療の要であり、軽傷からCPAまであらゆる患者さんが来院されます。研修医はそれらの患者さん方をすべてfirst touch で診察させていただけます。当直の先生方、各科の先生方の手厚いバックアップのもと、診断・治療方針の模索を行うことは、大変勉強になるだけでなく、医師として患者さんと関われる喜び、臨床の面白さを存分に味わうことができました。

 また、延岡病院は宮崎大学、熊本大学などより研修医を受け入れており、仲間と互いに切磋琢磨しあいながら研修することができます。仕事の際は、互いの患者さんや救急外来で経験した症例について教えあったりし、オフの際は、研修医旅行やたくさんの飲み会を企画し、人生でもっとも楽しいといっても過言ではないほどの充実した時間を過ごすことができました。

 最後に、熱いご指導をいただいた指導医の先生方、ともに学んだ研修医の仲間、支えていただいた職員の方々にこの場を借りてお礼を述べたいと思います。
 もし、もう一度研修医をするのなら、また延岡病院で研修したいと思うし、後輩にも自信を持ってお勧めできる研修先だと思います。半年間、ありがとうございました。