DPCデータに基づく病院情報の公表

令和5年度 宮崎県立延岡病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

 

令和5年度 医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率

 

1.年齢階級別退院患者数

年齢区分0~10~20~30~40~50~60~70~80~90~
患者数500140197332351565111220791531369
【解説】
 高齢化社会を反映して、60歳以上の患者さんの割合が全体の71%、70歳以上の患者さんの割合が55%となっています。
 一方、周産期センター、小児病棟を有していることから、10歳未満の患者さんの割合が7%となっています。
 

2.診断群分類別患者数等
(診療科別患者数上位5位まで)

※件数が10件未満のものは非公開(-)としております。

内科

DPCコード DPC名称 件数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 年齢 患者用パス
130040xx99x5xx 多発性骨髄腫、免疫系悪性新生物 手術なし 手術・処置等2 – 5あり 147 12.01 16.12 0.00% 73.18  
130030xx99x9xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 – 9あり 132 14.91 12.88 0.76% 68.98  
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 97 2.23 2.61 0.00% 65.96  
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2 – 4あり 定義副傷病なし 68 5.69 8.33 1.47% 73.44  
130060xx99x4xx 骨髄異形成症候群 手術なし 手術・処置等2 – 4あり 59 9.47 9.8 0.00% 79.12  

【解説】
 宮崎県北地区には、血液疾患の治療を行う専門施設が当院しかなく、血液の悪性腫瘍の治療は当院でしかおこなっていません。そのため非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群の治療は宮崎県北地区では当院のみとなっています。抗悪性腫瘍薬の治療を主におこなっていますが、患者数は増加傾向にあります。
 消化器内科は消化器外科と共働し診療をおこなっています。また、当院は感染症指定医療機関のため新型コロナ感染症の受け入れもおこなっています。当院での治療は中等症から重症患者についておこなっています。

 
 

小児科

DPCコード DPC名称 件数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 年齢 患者用パス
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他)  48 5 5.96 0.00% 1.79  
180030xxxxxx0x その他の感染症(真菌を除く。) 定義副傷病なし 30 4.97 8.6 0.00% 1.57  
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 29 4.17 6.37 0.00% 3.52  
150040xxxxx0xx 熱性けいれん 手術・処置等2なし 26 3.46 3.56 0.00% 2.12  
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 14 3.71 7.19 7.14% 7.29  
【解説】
 当院は、宮﨑県北地域で咲いたの小児病床を有する紹介型の病院です。近隣の小児科クリニックなどから、精密検査や入院加療が必要な患者さんをご紹介頂き、夜間休日も小児科オンコール(呼び出し)体制で診療をおこなっています。
 令和5年度の入院数が多い疾患は、①急性気管支炎・急性細気管支炎②その他の感染症③喘息④熱性痙攣⑤てんかん⑥腸重積の順となっております。上位2疾患は、主に呼吸器疾患になります。RSウイルスやインフルエンザ、ヒトメタニューモウイルス感染症などのウイルス感染を契機に入院するケースが多かったです。新たな検査機器の導入により、ヒトライノウイルスやパラインフルエンザウイルスなどの感冒ウイルスも見つかるようになってきました。
 新型コロナウイルス感染症流行以前は、RSウイルス感染による入院者数は、例年100名前後でした。新型コロナウイルス流行による外出自粛や手指消毒、マスク着用の影響により、令和2年度の入院者数は11名と過去最低でした。令和3年度のRSウイルス感染による気管支炎、細気管支炎、肺炎などでの呼吸器疾患の入院者数は66名と大幅な増加が見られました。令和4年度は、18名と減少しております。令和5年度は、56名と再び増加が見られました。
 熱性けいれんは子どもによく見られる疾患です。熱性けいれんによる入院者数は、前年度より6名増えて26名でした。けいれんの持続時間が長かったり、短時間で繰り返す複雑型熱性けいれんの患者のほとんどが入院となりました。
 てんかんによる入院者数は、前年度より1名減って14名でした。当科以外では、県北でてんかん患者を診療する医療機関が少ないために、難治性てんかん患者や新規発症患者は毎年、一定数の入院が見られます。入院患者総数は、新型コロナ感染が全国的に流行してから、他の医療機関同様に減少してきましたが、令和元年度の503名から令和2年度の286名に大きく減少後は、ゆるやかに漸増しています。令和5年度は、前年とほぼ同数の342名でした。子どもによく見られる熱性けいれんやてんかんなどの慢性疾患での入院が、相対的に目立ってきたと言えます。
 年間数名程度ではありますが、当院で治療困難な患者さんは宮崎大学医学部附属病院や県立宮崎病院、熊本大学医学部附属病院、熊本赤十字病院などに転院して、より高度な治療を受けていただいております。転院は遠距離になるため、患者さんの病状、天候などに応じて、救急車や防災ヘリ、ドクターヘリなどを駆使して安全な転院搬送をおこなっています。当科ではスタッフ一同力を合わせて子どもたちの健康な生活を守っていきたいと考えております。
  
 

外科

DPCコード DPC名称 件数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし  86 6.66 8.75 9.30% 78.15  
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等  45 4.8 4.55 0.00% 75.11  
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1なし  38 7.5 9.88 0.00% 71.03  
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 33 5.64 6.87 0.00% 64.76  
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 定義副傷病なし 30 11.53 15.12 0.00% 69.6  
【解説】
 ①胆管結石・胆管炎に対しては、主に体への負担が少ない内視鏡治療を行っています。
 ②鼠径ヘルニアに対しては前方アプローチや腹腔鏡下での根治手術を行っています。
 ③乳癌に対しては、症例ごとに適応を検討し、手術と化学療法・内分泌療法・放射線照射を組み合わせた治療を行っています。
 ④胆嚢炎に対しては、できるだけ体に負担が少ない腹腔鏡手術や内視鏡によるカテーテル治療を行っています。
 ⑤結腸癌に対しては、できるだけ体への負担が少ない腹腔鏡下手術を行っています。
  
 

整形外科

DPCコード DPC名称 件数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等  167 22.84 25.5 85.63% 83.08  
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 38 26.11 21.96 73.68% 75.32  
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等  36 26.53 19.55 66.67% 71.81  
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 定義副傷病なし 35 6.57 4.76 20.00% 53.4  
070341xx020xxx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 頸部 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 前方椎体固定等 手術・処置等1なし 25 17.56 19.32 52.00% 70.28  
【解説】
 最も患者数が多かったのは、股関節の大腿骨近位骨折です。高齢者に多く、軽微な転倒などで受傷します。骨折型によって骨折観血的手術と人工骨頭挿入術を選択します。2番目と3番目は変形性関節症に対する人工関節置換術です。4番目は手関節の骨折です。やはり高齢者が転倒して手をつくときに発生します。主に金属プレートで固定を行います。5番目は脊椎手術です。神経の圧迫をとる手術や必要に応じて固定術を行っています。
  
 

脳神経外科

DPCコード DPC名称 件数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 年齢 患者用パス
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 63 15.87 19.09 71.43% 69.65  
010050xx02x00x 非外傷性硬膜下血腫 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 37 9.62 11.87 13.51% 79.81  
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 32 10.88 8.38 31.25% 71.69  
010040x199x0xx 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10以上) 手術なし 手術・処置等2なし 20 15.7 22.61 65.00% 75.55  
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 19 10.26 7.19 15.79% 69.37  
【解説】
 当科は宮崎県北地域の脳神経外科疾患を対象として診療をしています。通常、脳神経外科の対象は、脳卒中、神経外傷、脳腫瘍ですが、県北には神経内科の常勤医がほとんどいないため神経内科的疾患の急性期も診療しています。
 上記1位、4位が脳出血で、当科で診療する一番症例が多い疾患です。重症例に対しては手術がおこなわれますが、当科では顕微鏡手術の他に神経内視鏡による手術もおこなっています。ただ最近手術になるような大きな出血は減少傾向です。
 3位が頭部外傷です。交通事故の症例は全国的に減少してきていますが、高齢化に伴い高齢者の転倒、転落が増加傾向です。通常の開頭術の他に、特に緊急性が高いような症例では救急外来で穿頭術を行い、症例によっては良好な経過をたどっています。
 頭部外傷後の2ヶ月前後で慢性硬膜下血腫という疾患が出現する事があります。上記2位の疾患です。手術で完治することが多く、脳神経外科が治療に当たる疾患です。
 5位のてんかんは通常神経内科が診療に当たりますが、県北では神経内科が常在する入院可能施設が2つしかないため、てんかん急性期は当院でも治療をおこなっています。近年高齢者のてんかんが増えてきており、重大事故の原因となり、社会問題となりました。高齢者てんかんの原因として脳血管障害、認知症に伴うものが挙げられます。認知症の原因にもなるため適正な治療が必要です。
  
 

呼吸器外科

DPCコード DPC名称 件数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 年齢 患者用パス
040040xx97x00x 肺の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし

92

7.42 9.89 0.00% 72.53  
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2 – 4あり 定義副傷病なし 13 6.54 8.33 0.00% 71.38  
040150xx97x00x 肺・縦隔の感染、膿瘍形成 手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 28.24  
040150xx99x0xx 肺・縦隔の感染、膿瘍形成 手術なし 手術・処置等2なし 22.55  
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 13.59  
040050xx99x0xx 胸壁腫瘍、胸膜腫瘍 手術なし 手術・処置等2なし 13.48  
【解説】 
 当院では呼吸器内科と呼吸器外科で呼吸器センターを開設しております。肺の悪性腫瘍に対しては診断、手術、放射線治療、化学療法を呼吸器内科と共に一貫して行い、診断から治療までを円滑におこなっております。
 手術症例はほとんどの症例で胸腔鏡を用いた低侵襲手術をおこなっております。これにより、高い根治性を目指すと同時に、低い合併症発生率と術後疼痛0を目指しております。さらに積極的離床、必要に応じたリハビリ介入を行うことで術後早期退院、早期社会生活復帰ができることを重視しています。
 化学療法はガイドラインに基づき、最新の抗癌剤を用いています。初回の抗癌剤投与は入院でおこないますが治療が軌道に乗れば外来化学療法に移行します。つらい副作用の予防とサポートを癌化学療法専門看護師や薬剤師と共におこないます。
 現役で仕事をしておられる方が仕事を続けながら安心して治療を受けられるように、仕事と治療の両立支援を積極的におこなっています。
 良性疾患に対する手術で多いのが気胸に対するブラ切除術です。当院の基本方針としては若年者の初回気胸関しては原則ドレナージによる保存的治療を行い、再発症例で明らかなブラがある症例に対しては胸腔鏡下ブラ切除を行うこととしております。
  
 

心臓血管外科

DPCコード DPC名称 件数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 年齢 患者用パス
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置等2なし 27 12.33 10.42 14.81% 74.11  
050163xx02x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 腹部大動脈(分枝血管の再建を伴うもの)等 手術・処置等2 – 1あり 19.2  
050080xx0101xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術・処置等1なし 手術・処置等2 – 1あり 21.52  
050050xx0101xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。) 単独のもの等 手術・処置等1なし 手術・処置等2 – 1あり 21.38  
050163xx03x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置等2 – 1あり 14.7  
【解説】
 当科では、心臓、大血管、末梢血管などに対する診療をおこなっております。冠動脈バイパス術や弁置換術、大動脈瘤切除術など一般的な手術のほか、緊急手術もおこなっております。
  
 

産婦人科

DPCコード DPC名称 件数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 年齢 患者用パス
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 手術なし 手術・処置等2なし 85 5.59 6.07 14.12% 0  
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等  50 9.3 9.23 0.00% 50.1  
120090xx97xxxx 生殖器脱出症 手術あり 49 9.22 7.89 0.00% 72.22  
12002xxx01x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし 46 8.91 10.1 0.00% 52.76  
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等  39 10.38 9.34 5.13% 33.69  
【解説】
 当科では産婦人科に加えて周産期科としてNICU症例も取り扱っていますので、新生児疾患が含まれています。症例数第1位に2,500g以上の早産児、新生児低血糖、新生児一過性多呼吸、新生児仮死、その他もろもろの新生児疾患が含まれています。
 第2位は子宮筋腫等の良性疾患での子宮全摘術等、第3位は生殖器脱出症で腟式子宮全摘術と腟壁形成術や腟閉鎖術等の手術療法を行っています。
 第4位は子宮の悪性腫瘍で手術療法、放射線療法、化学療法を行っています。
 第5位は胎児および付属物の異常で子宮内胎児発育遅延、子宮内感染、胎児心拍数モニター異常、常位胎盤早期剥離、羊水過多症、羊水過少症、等が含まれます。
  
 

耳鼻咽喉科

DPCコード

DPC名

件数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 年齢 患者用パス
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患  31 8.39 7.53 0.00% 24.68  
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし し  17 6.18 5.51 0.00% 44.24  
030440xx01xxxx 慢性化膿性中耳炎・中耳真珠腫 鼓室形成手術 12 5.75 6.76 0.00% 53.83  
030300xx01xxxx 声帯の疾患(その他) 喉頭・声帯ポリープ切除術等 4.29  
030390xx99xxxx 顔面神経障害 手術なし 8.71  
【解説】
 当科は、宮崎県北地域唯一の入院加療可能施設であり、手術目的以外の入院疾患では、急性扁桃炎・扁桃周囲炎・扁桃周囲膿瘍などの急性感染症、あるいはめまいを主訴とした前庭神経炎やメニエール病、突発性難聴といった前庭機能障害などの急性期疾患を中心に入院加療をおこなっています。また、腫瘍性病変については適宜検査を行った上で、宮崎大学医学部附属病院への紹介なども行っております。
  
 

泌尿器科

DPCコード DPC名称 件数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 年齢 患者用パス
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病なし 47 4.74 5.22 0.00% 69.19  
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 28 2.39 2.44 0.00% 75.07  
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし 27 5.52 6.85 0.00% 77.3  
110070xx02xxxx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術+術中血管等描出撮影加算 17 5.41 6.78 0.00% 72.12  
110080xx03xxxx 前立腺の悪性腫瘍 経皮的放射線治療用金属マーカー留置術 17 3.12 2.71 0.00% 76.59  
【解説】
 入院患者数は上部尿路結石に対して手術を行った症例が47件と最多でした。次いで前立腺癌診断のための検査入院が28件と2番目に多かった。膀胱癌に対して経尿道的手術を行った症例は27件で3番目でした。
 

循環器内科

DPCコードDPC名称件数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率年齢患者用パス
050050xx0200xx狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし1414.864.260.00%71.17 
050030xx97000x急性心筋梗塞(続発性合併症を含む。)、再発性心筋梗塞 その他の手術あり 手術・処置等1なし、1あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし 11212.0811.542.68%70.26 
050210xx97000x徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1なし、1,3あり 手術・処置等2なし 定義副傷病名なし1118.959.774.50%79.12 
050050xx9920x0狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 – 2あり 手術・処置等2なし 重症度等他の病院・診療所の病棟からの転院以外793.633.250.00%71.65 
050050xx9910x0狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 – 1あり 手術・処置等2なし 重症度等他の病院・診療所の病棟からの転院以外703.313.050.00%68.56 
【解説】 

 上から①狭心症で経皮的冠動脈インターベンションPCIをおこなった患者分類。
②急性心筋梗塞にてPCIをおこなった患者分類。
③ペースメーカ留置を行った患者分類。
④狭心症にて心臓カテーテル検査および付随する検査(冠動脈血流予備量比FFR,光干渉断層像OCT、血管内超音波IVUS)をおこなった患者分類。
⑤狭心症にて冠動脈造影検査のみ行った患者分類。

 狭心症の最終診断は画像検査でおこないます。近年は外来で造影CTによって診断できる症例が増えました。しかし、狭窄率が高度になると、内服治療か血行再建をするかの評価が必要です。このために行う心臓カテーテル検査が患者数④位の患者分類です。
心臓カテーテル検査を行う際にさらに詳細な検査(FFR、OCT,IVUS)を追加し、PCIの適応を判断することがあります。
 CTでは狭窄があるように見えても冠動脈造影を行うと実際には狭窄がなく検査のみで終了する場合もあります。これが患者数⑤位の患者分類です。
 カテーテルによる血行再建(経皮的冠動脈形成術あるいはステント留置術)が必要と判断した場合、先端に数ミリのバルーンがついたカテーテルを病変部に挿入して拡張し、必要に応じてステントと呼ばれる金属製の補強材を内挿します。程度によりますが、速ければ手術は20-30分で終了し、3泊4日の入院で完了する侵襲の低い手術で、体力のない高齢者でも受けることができます。この手術による入院が患者数①位の分類です。
 冠動脈の狭窄が進行し閉塞をきたすと急性心筋梗塞を発症します。速やかに再灌流をおこなうためにPCIを行うのが患者数②位の分類です。
徐脈性不整脈に対してペースメーカ植込術を行った患者数が③位の分類です。

 

救急科

DPCコードDPC名称件数平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率年齢患者用パス
160100xx99x00x頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし235.438.384.35%60.61 
161070xxxxx00x薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2なし 定義副傷病なし192.893.6215.79%41.74 
180010x0xxx0xx敗血症(1歳以上) 手術・処置等2なし1917.1120.0336.84%81.05 
160100xx97x00x頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 定義副傷病なし172.829.880.00%64.41 
010230xx99x00xてんかん 手術なし 手術・処置等2なし 定義副傷病なし136.387.1923.08%66 
【解説】
 令和5年度の疾患内訳での上位5疾患は、前年度より変動がみられました。前年度3番目だった手術不要の頭部損傷が最多となり、3番目に敗血症が、5番目にてんかんが上位5疾患に入っております。
 上位5疾患を内因性と外因性に大別すると、内因性では敗血症の疾患を数多く担当しています。前年度は尿路感染症、誤嚥性肺炎が上位に位置しておりましたが、それらが重症化して腎臓・肝臓などの臓器が障害された状態が敗血症であります。つまり令和5年度は、より重症の状態になった方が数多く入院加療を受けられたことになります。
 敗血症で入院加療となった方の平均年齢は81.5歳で、高齢による体力や免疫力の衰えが重症化の要因の1つと思われます。敗血症は死亡率の高い疾患でありますので、当科が主治医となりつつ、対象臓器の専門診療科と連携をとりながら、全身管理をICU病棟やHCU病棟で行い、約2週間の抗生剤の投与を中心とした入院治療を行います。入院期間も他疾患に比較して長期になっておりますが、入院前と同レベルの生活を獲得するためにはリハビリテーションが必要となることが多く、継続的な治療のために近隣内科病院への転院率が高くなっています。
 外因性では、頭部打撲、脳震盪、頭部挫創など手術不要の頭部外傷が最多で、手術を要する頭部損傷が第4位となっており、あわせて40件となります。脳神経外科と協働で治療にあたっています。
 最後に睡眠薬などの医薬品中毒を含む薬物中毒が今年度も23件と上位にはいりました。薬物中毒にて入院される方は、精神疾患を患っていらっしゃる方が多いのが特徴です。当院は精神科常勤医師が不在ですが、入院加療にて身体的異常がないことを確認後に、精神科的治療の必要度に応じて、精神科病院への転院・受診を調整しております。
 これらの救急疾患の方を中心に、引き続き全身管理を含む集中治療管理から一般病棟管理までを当科で行い救命率向上を目指します。
 

皮膚科

DPCコード DPC名称 件数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 年齢 患者用パス
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし

10

12.4 12.88 10.00% 74.1  
080110xxxxx0xx 水疱症 手術・処置等2なし

28.98  
161000x199x0xx 熱傷・化学熱傷・凍傷・電撃傷(Burn Index10未満) 手術なし 手術・処置等2なし 12.63  
080250xx99x1xx 褥瘡潰瘍 手術なし 手術・処置等2あり 32.38  
080105xxxxx0xx 重症薬疹 手術・処置等2なし 17.82  
【解説】
 令和5年度に当科で対応した入院患者で最も最多となった疾患は膿皮症でした。
 膿皮症とは、蜂窩織炎や皮膚膿瘍など皮膚や皮下の感染症が含まれます。主に抗菌薬投与で治療を行います。
 症例数は少ないですが、水疱症や熱傷、褥瘡、重症薬疹、皮膚潰瘍などの入院加療も行っております。
 

3.初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

 初発再発
Stage IStage IIStage IIIStage IV不明
胃癌151318
大腸癌2516324125
乳癌2629121716
肺癌681538140107
肝癌
【解説】
 UICC病期分類でStageⅠからStageⅣに分類されています。
 「初発」とは、当院入院で、当該腫瘍の診断、診断と初回治療、あるいは初回治療を実施した場合を指し、延べ患者数とします。
 「不明」とは、治療前の情報のみでは正確な病期分類ができていないことを指します。
 「再発」とは、初回治療が完了した後、当院で患者を診察した場合や、治療がん寛解後に局所再発・再燃または新たな遠隔転移をきたした場合を指し、延べ患者数となっています。
 がん腫で患者数が一番多いのは肺がんで、StageⅣの患者さんが一番多くなっております。
 当院呼吸器外科にて診断から手術、術後の放射線治療、化学療法まで一貫して行えます。
 また、当院は宮崎県がん診療指定病院となっており、がん看護専門看護師、がん化学療法認定看護師が患者さんやご家族をサポートするとともに、院内に設置されたがん相談支援センターでは、がんに関するあらゆる相談に対応するなどがん患者さんへの支援体制を整えています。
 

4.成人市中肺炎の重症度別患者数等

 患者数平均在院日数平均年齢
軽症
中等症4414.2575.59
重症2616.0878.73
超重症1218.4282
【解説】
 嚥下性肺炎やウイルス性肺炎は含まれず市中肺炎(社会生活を送っている中で罹患した肺炎)のみの統計となります。
高齢者がかかると重症になる事が多い疾患で中等症の患者が一番多くなっています。重症度に比例して平均在院日数、平均年齢が上がる傾向がみられるといわれています。
 

5.脳梗塞の患者数等

ICD10傷病名発症日から患者数平均在院日数平均年齢転院率
I63$脳梗塞3日以内5623.1475.3860.71%
その他
【解説】
 「脳梗塞」は、脳の血管が詰まり、血流がストップした状態で脳組織が壊死(梗塞)した状態になります。
  当院では第二次救急医療として24時間受付の救急外来があり、脳梗塞を発症から3日以内に受診された重症な患者が多くなっています。
 

6.診療科別主要手術別患者数等
(診療科別患者数上位5位まで)

※患者数が10件未満のものは非公開(-)としております。

内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm未満 87 0.15 1.39 0.00% 65.09  
K654 内視鏡的消化管止血術 29 1 9.21 24.14% 75.55  
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) 26 8.31 17.04 11.54% 73.69  
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm以上 21 0.19 1.76 0.00% 68.14  
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 19 1.26 7.89 21.05% 80.37  
【解説】 

 

 最も多く行われた手術は、内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満)です。下部消化管内視鏡検査で大腸ポリープが見つかった場合は、検査から治療に切り替えてポリープ切除をおこないます。高齢の患者さんも多いため術後1泊入院することがあります。 第2位の内視鏡的消化管止血術は吐血の患者さんに対し、緊急で施行することが多い術式です。
 第3位は静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純)で腎臓内科が担当します。患者はほとんど地域の医療機関からの紹介です。

外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 80 1.36 7 12.50% 77.05  
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置 49 1.33 5.98 2.04% 69.51  
K6335 ヘルニア手術 鼠径ヘルニア 47 1.15 2.79 0.00% 73.94  
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 46 1.37 3.8 0.00% 63.07  
K4763 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 30 1.13 5.1 0.00% 72.2  
【解説】
 ①癌や結石など様々な原因による胆管閉塞・黄疸・胆管炎などに対して、内視鏡でのステント挿入・留置を行っています。
 ②血管刺激性の強い薬剤(抗癌剤や高濃度栄養補液剤など)の定期的・長期の投与が必要な際には、安全に治療が行えるように血流の多い中心静脈へのアクセスを容易にするために局所麻酔下に埋込型カテーテルを主に前胸部皮下に留置しています。
 ③鼠径ヘルニアに対しては、前方アプローチや腹腔鏡下にてヘルニア門を遮断する根治術を行っています。
 ④胆石症や胆嚢炎、良性胆嚢ポリープなどに対して、小さな切開創で胆嚢を摘出する腹腔鏡下胆嚢摘出術を行っています。
 ⑤乳癌に対しては、症例ごとに適応を検討し、切除範囲やリンパ節郭清の範囲を決定し治療を行っています。
 

整形外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術 123 2.27 17.35 82.93% 81.93  
K0821 人工関節置換術 80 1.71 23.63 71.25% 73.43  
K0811 人工骨頭挿入術 69 3.88 20.83 85.51% 83.06  
K0462 骨折観血的手術 43 3.16 12.74 39.53% 63.47  
K0483 骨内異物(挿入物を含む。)除去術 27 1.26 4.41 3.70% 60.74  
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 椎弓形成 27 4.07 14.04 55.56% 70.48  
【解説】
 一番多いのは外傷による骨折に対する骨折観血的手術です。上肢から下肢まで多様な部位の骨折があり、当院では高齢者の軽微な外傷や交通事故や転落など高エネルギー外傷の両方とも治療を行っています。2番目は変形性関節症に対する人工関節置換術です。3番目に多いのは股関節の大腿骨近位骨折に対して行う人工骨頭挿入術です。5番目に多いのは脊椎手術です。神経の圧迫をとる手術や必要に応じて固定術を行います。
 

脳神経外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 50 0.6 9.32 16.00% 79.78  
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング 1箇所 21 1 23.95 33.33% 60.81  
K1742 水頭症手術 シャント手術 11 8.36 16.82 63.64% 69.36  
K1642 頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの) 硬膜下のもの 10 3.6 18.4 40.00% 77.1  
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術 その他のもの  
【解説】
 最も多くおこなわれたのは慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術でした。これは、頭部外傷後しばらくたってから、頭蓋骨と脳との隙間に血液がたまり脳を圧迫する病気です。頭を打って1~2ヶ月してから頭痛や麻痺などの症状が徐々に出てきます。局所麻酔で頭蓋骨に小さな孔をあけて、血腫内を洗浄し、血腫を排出させる管を一晩留置します。手術時間は30分~1時間程度です。1週間程度の入院となります。
 2位は脳動脈瘤頚部クリッピング術です。脳動脈瘤は破裂することにより主にくも膜下出血の原因となります。くも膜下出血等を起こした場合、一般的には72時間以内に再破裂の予防のためクリッピング術を行います。未破裂脳動脈瘤の場合は予定手術でクリッピングを行います。近年ではカテーテルを使用した動脈瘤のコイル塞栓術も行っています。
 脳内(脳室)に髄液が貯留する水頭症はいくつかの原因で出現します。脳室に髄液が貯留することにより歩行障害、認知症、尿失禁といった症状が出現します。脳内の髄液を排出する手術がシャント術です。脳室に直接チューブを挿入する脳室腹腔シャント、腰椎くも膜下腔にチューブを挿入する、腰椎腹腔シャントがあります。チューブ等を皮下に完全に埋没させ、腹腔内に髄液を流すようにします。
 頭蓋骨に数個の穴をあけ、大きく頭蓋骨を外す手技を開頭術といいます。脳動脈瘤頚部クリッピングも開頭術の一つです。開頭術による硬膜下血腫は主に外傷による急性硬膜下血腫に対して行われます。ときに難治性の慢性硬膜下血腫に対しても開頭術が行われます。
 数は多くありませんが脳腫瘍摘出術を行っています。当院では転移性脳腫瘍、髄膜腫といったものを対象にしています。神経膠腫の手術も行っていましたが近年神経膠腫の診断に遺伝子検査が必須となり基本的に大学病院に紹介します。
 

呼吸器外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの) 29 2.07 5.07 0.00% 73.72  
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 部分切除 28 1.5 4.39 0.00% 71.71  
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除) 26 2.04 4.5 0.00% 71.85  
K496-4 胸腔鏡下膿胸腔掻爬術 10 2.1 10.8 30.00% 65.8  
K5131 胸腔鏡下肺切除術 肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの)  
【解説】  
 悪性腫瘍手術は従来肺葉切除が標準術式でしたが、近年、病状によっては癌の部分だけを取り除き、可能な限り肺を温存する手術でも根治できる事が分かってきました。そこで当院では部分切除や区域切除等、肺機能を温存した術式を積極的におこなっています。
 ほとんどの症例を低侵襲な胸腔鏡下手術でおこなっています。
 患者さんが一人暮らし、遠方、高齢、体力が低下しているなどの場合、入院期間が長くなる傾向があります。手術リスクの高い患者さんでは手術合併症を減らすために、術前後のリハビリや積極的な術後管理を少し長めの入院によりおこなっています。
 御家族が遠方で当院来院が困難なかたについてはZoomを用いたオンラインでの相談もさせていただいております。
 患者さんの術後の生活の質の維持・向上と同時にめざすべく、患者支援センターと連携し速やかで確実な社会復帰を実現するよう努めています。
 

心臓血管外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5612ロ ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) 32 2.44 9.91 12.50% 72.06  
K5522 冠動脈、大動脈バイパス移植術 2吻合以上のもの 11 9.73 23.82 18.18% 65.82  
K5551 弁置換術 1弁のもの  
K5612イ ステントグラフト内挿術(胸部大動脈)  
K5607 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 腹部大動脈(その他のもの)  
【解説】
 当科では、心臓、大血管、末梢血管などに対する診療をおこなっております。大動脈瘤切除術など一般的な手術のほか、緊急手術もおこなっております。
 
産婦人科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877 子宮全摘術 114 1.63 7.45 0.88% 52.75  
K8981 帝王切開術 緊急帝王切開 66 6.56 6.56 10.61% 31.95  
K8881 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(開腹によるもの) 40 1.45 7.88 0.00% 55.7  
K8654 子宮脱手術 腟壁形成手術及び子宮全摘術(腟式、腹式) 38 2.32 6.05 0.00% 71.05  
K8982 帝王切開術 選択帝王切開 36 16 6.78 5.56% 34.14  
【解説】
 第1位は子宮全摘術で良性疾患、上皮内癌、初期子宮体癌に対する子宮全摘術です。腹式子宮全摘術に加えて腟式子宮全摘術も積極的に行っています。
 第2位は緊急帝王切開術、第5位は選択的帝王切開術です。2次周産期施設である当院では緊急帝王切開術が多くなっています。
 第3位は子宮附属器(卵巣・卵管)腫瘍の手術で開腹でおこなっています。
 第4位は子宮脱手術、腟壁形成術で腟式手術のみならず、開腹による手術も行っています。
 

耳鼻咽喉科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃摘出術 32 0.97 6.56 0.00% 24.88  
K3191 鼓室形成手術(耳小骨温存術) 10 1 3.9 0.00% 49.1  
K3932 喉頭腫瘍摘出術 直達鏡によるもの  
K6261 リンパ節摘出術 長径3cm未満  
K368 扁桃周囲膿瘍切開術  
K3892 喉頭・声帯ポリープ切除術(直達喉頭鏡又はファイバースコープによるもの)  
【解説】
 当科は、宮崎県北地域唯一の手術可能施設であり、口腔・咽頭疾患である慢性扁桃炎、小児のいびき・睡眠時無呼吸症に対する口蓋扁桃摘出術・アデノイド切除術を中心に手術を行っています。また、慢性副鼻腔炎・鼻茸に対する内視鏡下手術や、慢性中耳炎に対する手術、声帯ポリープ、喉頭腫瘍に対する喉頭鏡下手術なども必要に応じて行っております。
 

泌尿器科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7811 経尿道的尿路結石除去術 レーザーによるもの 44 1 2.68 0.00% 68.5  
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他) 36 1.22 3.17 0.00% 75.19  
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 30 2.23 9.57 23.33% 74.97  
K007-2 経皮的放射線治療用金属マーカー留置術 16 1 1.06 0.00% 76.31  
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 14 1.07 8.57 14.29% 70.57  
【解説】
 手術件数は上部尿路結石に対してホルミウムレーザーを使用した経尿道的尿路結石除去術が44件と最多でした。
 2番目は、膀胱癌に対して行った経尿道的膀胱腫瘍切除術が36件でした。
 3番目は尿管結石や尿管狭窄に対して行った尿管ステント留置術、4番目に前立腺癌放射線治療前に行う放射線治療用金属マーカー留置術が新たに入ってきています。
 

循環器内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 107 3.55 3.98 5.61% 70.8  
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術 心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの 57 1.39 2.91 3.51% 68.84  
K5972 ペースメーカー移植術 経静脈電極の場合 50 1.92 7.64 2.00% 76.82  
K5461 経皮的冠動脈形成術 急性心筋梗塞に対するもの 43 0.02 12.79 6.98% 68.72  
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術 急性心筋梗塞に対するもの 43 0.05 14.23 6.98% 70.63  
【解説】 

 年齢とともに動脈硬化は進みますが、糖尿病、高血圧、脂質代謝異常症、タバコ、遺伝などの要因により動脈硬化が促進されます。その結果、心臓を養う冠動脈に動脈硬化による狭窄が出現すると、その末梢の心筋は十分な血液を受け取れず、虚血(栄養や酸素の不足)状態になります。これが「狭心症」の状態ですが、さらに、動脈硬化が進展し血栓で閉塞すると、血流が途絶し、「心筋梗塞」を発症します。その間のつまりかかった状態が「不安定狭心症」です。
 狭心症に対する予定された経皮的冠動脈ステント留置術K5493が第1位です。そして、急性心筋梗塞に対する緊急の治療のうち、バルーンのみで終了したものK5461が第4位、経皮的冠動脈ステント留置術K5491が第5位でした。これらは、腕の血管から細いカテーテルを心臓の冠動脈まで進め、狭窄あるいは閉塞部位を治療する方法です。これらカテーテル治療に、365日24時間対応しています。

 年齢とともに不整脈、特に心房細動の罹患率も増加します。K5951は心房細動に対して行うカテーテルアブレーションと呼ばれる治療です。心房細動は脳梗塞および心不全の発症と関連しています。カテーテルアブレーションを心房細動発症早期に行うことで根治も可能な有効性の高い治療です。令和6年より常勤の専門医も着任し積極的に行っています。
 第3位は徐脈性不整脈に対するペースメーカ植込術で、近年高齢化もあり増加傾向です。

7.その他(DIC、敗血症、その他の真菌症
および手術・術後の合併症の発生率)

DPC傷病名入院契機症例数発生率
130100播種性血管内凝固症候群同一
異なる
180010敗血症同一721.00%
異なる430.60%
180035その他の真菌感染症同一
異なる
180040手術・処置等の合併症同一390.54%
異なる
【解説】
 敗血症は血液が細菌に感染することにより全身に炎症を起こす病気です。肺炎や尿路感染症、腹膜炎、悪性腫瘍などに合併する例が多いのですが、当院では敗血症そのもので入院された患者さんが多い傾向を示しています。入院中に合併症を起こさない様にしていますが、患者さんを紹介、救急のみで受け付けているので、重症な患者さんが多く、入院中に合併症になる患者さんも一定数いらっしゃいます。
 手術・処置等の合併症の主なものは、動脈や透析用シャントの閉塞・再狭窄・機能低下・感染症の他、術後感染、術後出血となっています。診療科で見ると心臓血管外科、整形外科、内科、外科が多く、これらで半数を超えてますが、いずれの診療科の手術も患者さんの負担が大きいため、患者さんの状態が良好でない場合は合併症がみられることがあります。
 
 

1.リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の
肺血栓塞栓症発症の予防対策実施率

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肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上の手術を施行した退院患者数(分母)分母のうち、肺血栓塞栓症の予防対策が実施された患者数(分子)リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症発症の予防対策実施率
1194113394.89%

2.血液培養2セット実施率

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血液培養オーダー日数(分母)血液培養オーダーが1日に2件以上ある日数(分子)血液培養2セット実施率
1950160882.46%

3.広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率

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広域スペクトルの抗菌薬が処方された退院患者数(分母)分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日までの間に細菌培養同定検査が実施された患者数(分子)広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
83775990.68%
 
 
 

更新履歴

2024/09/30
「令和5年度 病院情報の公表」 作成